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まこちゃん【◆】 ページ16

「お前、バスケ辞めたらしーな」

「なに?もったいねぇとか言う気?」

部活を辞めた私は毎日が暇で暇で
ブラブラしている。

公園でぼけっとブランコに座っていたところを
高校生になった花宮に偶然見つかってしまい
何故か空いた隣のブランコに座られた。

「ふはっ、んなこと思わねぇよ。そりゃ辞めるだろって思っただけだ」

あんな試合ばっかじゃなァ__

なんて、嫌な感じで笑っている。

でも、なんだか気が楽になった。

「良かった。アンタにまで、んな事言われてたらブチギレてたわ」

なんて、強気に言ってみると
可笑しそうに笑っている。

「そのわりに、つまんねーって面してんな」

「べつに、毎日楽しくてしょーがないけど」

嘘だ。
毎日、何をしていいのかわからない。
結局、隠れてバスケもしてるし
大輝がいない時に部屋に忍び込んで、月バスも読んでる。

「お前、高校は?どこか決めたのか?」

「なに?ウチ来いってやつ?」

「ふはっ、悪いがウチは男子校だ、バァカ」

なんだ、本当は来たかったのか?
とニヤニヤして見てくる。
全く、ムカつくやつだ。
でも、気を遣わないし楽だし、なんか楽しい気持ちもある。

「ムカついたから、コーラ奢って」

「んな理由でなんででめぇに俺が奢らなきゃなんねーんだ」

「前はスポドリくれたじゃん」

そう言えば、なんだか気恥ずかしそうな顔をした。
まさか、照れてんのか?

「案外、可愛いんだね。」

「可愛い言うな」

「名前も、可愛いもんね。」

「やめろ、うぜぇ」

あ。揶揄うのが楽しくなってきた。

「ねぇ、まこちゃんって呼んでいい?」

「やめろ!バァカ!」

ほんのり赤くなったほっぺたが可愛いくて
吹き出して笑ってしまった。

「あー、おかしっ、なんか久しぶりに笑った気がする」

それにムスッとしながらも
自販機へ向っていくんだから
やっぱり根は優しいんだと思う。

「ほらよ」

前言撤回、やっぱ性格悪い。

「私、コーラって言ったよね」

「聞いてねぇな」

厭らしく笑いながら、差し出してきたのは
ブラックコーヒーで…

「飲めないんだけど」

「お子ちゃまだなァ」

なんて揶揄いながら、自分は私が注文したはずの
コーラをプシュっと空けて飲みやがった。

「まこちゃんの意地悪」

そう言うと、ゴホッと噎せて
コーラが無防備になったから
奪って飲んでやった。

「あー、おいし」

なんてニヤリと笑ってやれば
まこちゃんは目を丸くしてポカンとする。

それが、また可愛くて
自然と笑ってしまった。

同じ高校へ行きたい【◆黒子】→←花宮真との出会い後【◆】



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作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時

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