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南との出会い【◆】 ページ14

「神奈川から来ました。夏川南です。」

彼女との出会いは中学1年の秋__

「じゃあ、夏川は黒子の隣で」

「先生ー、その子、席に辿り着けないって」

「失礼極まりないですね、Aさん」

隣が空いてるテツの隣を指示した先生に
呆れながら手を挙げて言えば
テツはムスッとして
クラスが少し笑いで沸く。

「夏川、あの手挙げた青い女の後ろの席な」

苦笑いしながら先生が言えば
可愛いらしく返事をして
こちらに向かってきた。

「青峰 A、双子の兄がいるから、下の名前で呼んで。よろしく」

そう言い笑うと、彼女は綺麗な顔で笑った。
あ、サツキとは違ったタイプの美人。
大輝が好きそうな顔だと思った。

「よろしく。私も南って呼んで。ところでさ…」

何を聞かれるのだろう?と思ったら

「それって、どこで染めてるの?」

私の髪の毛を指した。

「え、地毛だよ」

南は目をぱちくりさせる。

「まじか。ってわ!よく見たら君も」

隣のテツに漸く気づきその髪色に驚いている。

「黒子テツヤです。よろしくお願いします。」

「黒子くん、よろしく。君も地毛?」

南は、意外にもサバサバしていて
話をしやすかった。

「南って大輝が好きそう」

なんてテツに言ったら、確かにと頷いた。

「ん?あ、私、彼氏いるんだよね。」

「え?!彼氏いんの?!」

私の大きな声に、多分聞き耳を立てていたであろう
クラスの男子達が撃沈している。

「うん、2個上の幼馴染。だから高校は神奈川戻ろうと思ってるんだ」

その頃の私にとっては、恋愛話など異次元の話だった。

「Aは?可愛いのに彼氏いないの?好きな人とか」

「えぇ〜…いないよ。今はバスケのことで頭いっぱい」

それでも、南は聞き上手で話し上手だから楽しかった。


いつの間にか、南とばっかり話すようになって

本当にいつの間にか、親友というポストに収まっていた。


彼女はバスケのことなんか知らないから
一緒にいて気が楽だったのかもしれない。


「A、アンタは嫌かもしれないけど、女の子って楽しいことがいっぱいあるんだよ」

部活を辞めた後
屋上でサボっていた私の傍で笑ってくれた。

「私がいっぱい教えてあげる。だからさ、」

バスケの話なんか
一切しないし聞かないでくれるのに

「泣かないでよ、Aは笑ってた方が可愛いんだから」

立ち止まって動けない私の手を引っ張ってくれた。

話を聞いて欲しかったんじゃない。
ただ、こうやって傍にいて欲しかったんだ。

花宮真との出会い後【◆】→←ガードマン【◆青峰】



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作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時

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