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ガードマン【◆青峰】 ページ13

俺はただ、心配だった。

中学二年に入った頃から
Aはバスケで笑わなくなって

いつしか俺とやる時も
Aが見せる顔は辛そうな顔に変わった。

それに目を背けた。

言わなくても伝わると思った。

いままではそうだったから。

俺は、Aに
笑ってバスケをして欲しかった

バスケを辞めた、

その事を責めた、あの日

『私の試合、1度でも見たことあった?』

泣きそうな顔をしていた。

あぁ、そういえば、Aの試合、見たことねぇ。

俺はいっぱい応援してもらったのに。


サツキに頼んで、最後の試合を見せて貰った。

そこに居たAは、俺そっくりだった。


「すげぇなぁ…A」


ソレを、見て初めて思った。


「俺はずっとアイツの重荷だったわけか」


サツキは泣いてたけど、俺は泣けなかった。

 
バスケを辞めたアイツは

髪を伸ばしだして

身体も小さく見えて


気づいたら

俺の片割れはただの女になっていた。


「Aっち、最近特に可愛いくなったっすよね」

黄瀬の言葉に、空気が一瞬凍りついた。
あれから、俺達の中で
Aの名はタブーになりつつある。
それなのに、黄瀬だけは
うっとおしいくらいその名を出していた。

「べつに、Aちんは最初からずっと可愛いーし…」

それに紫原がムスッとしながら答えれば

「でも、長い髪だと綺麗に見えるな」

「まぁ…少しは女らしくなったのだよ」

赤司と緑間も俺を気にしながらも言葉を返す。

男なんて、単純だ。

ちょっと髪が伸びて
ちょっと身体つきが変わっただけで
そういう目で見るんだ。

でもAは鈍感で
俺と双子の癖に、男の頭ん中のこと
なんもわかっちゃいねぇから…

やっぱり心配で、
Aに気づかれないように
片っ端から牽制してやった。

「お前ら、Aに手ぇ出すなよ」

睨みをきかして言えば
呆れたような顔をする3人。

「それは峰ちん面倒くさいからいいやー」

「悪いが、趣味ではない」

「ありえないのだよ」

で、俺が一番怪しんでいる黄瀬は目を泳がせている。

「いや、手は出してないっすよ?!でも、Aっちって、結構俺のタイプど真ん中なんすよねー」

ストレートな黄瀬の言葉に、青筋が浮かんだ。

「黄瀬ちんって、バカだよねー」

紫原の言葉を合図に
黄瀬が同じような軽口を叩かないよう潰してやった。

アイツの隣は俺だけのもんだ。

「ぜってぇ、渡さねぇ」

バスケでは守ってやれなかった。

でも…

こっちは、意地でも守りきってやる。

南との出会い【◆】→←トリガー【◆赤司】



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作者名:chieko | 作成日時:2023年12月4日 23時

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