ビールの味 ページ29
「Aっち!」
「ぎゃっ!!」
お風呂から上がりAは食堂に来ていた。
景虎から貰って冷やしておいた
ビールを手にしたとこで声がかかり
缶を落としてしまう。
「あー…」
Aは落ちた缶に頭を抱える。
「Aっち、ごめんっすー!!驚かせるつもりはなかったんすよー!!ジュースなら俺変わりの買ってくるっす!!」
そう言い駆け寄ってくる
黄瀬にAは顔をひきつらせた。
「気にしなくていいから!!」
と言っても遅くて
黄瀬はAが落としたモノを確認してしまう。
「それって…」
「えーっと…黄瀬くん、内緒にして?」
「もちろんっす!!」
そう言いAが首を傾げれば
黄瀬は赤い顔で即答した。
Aは落ちたビールを冷蔵庫に戻して
新しいのを手にすると
黄瀬にジュースを渡す。
「はい、これ口止め料。じゃ、おやすみー」
そう言い部屋に戻ろうとするAの腕を
黄瀬がガシッと掴んだ。
「一緒にここで飲まないっすか?」
「へ?」
意外な言葉にAはキョトンとしていると
黄瀬がニカッと笑いジュースを突き出す。
「もちろん、俺はジュースっすけど」
「いいけど…絶対他の奴に言うなよ?」
その笑顔に負けてAが頷く。
「二人だけの秘密っすね!じゃあ乾杯!!」
「はい乾杯」
缶を合わせてそれを飲む。
「ビールって美味しいんすか?」
黄瀬が怪訝そうに聞いてくるから
Aはケラケラ笑う。
「美味しいよ。まぁ子供には苦いかもね」
そう言いビールを飲むAに
黄瀬はジュースの缶を机に置く。
「ふーん…」
トンと黄瀬に冷蔵庫に押し付けられ
Aは目が丸くなる。
「黄瀬くん…?」
「じゃあ試させてもらっていいっすか?」
「は?だめに決まって…」
怒ろうとした瞬間…
ちゅっと唇に柔らかい感触が伝わる。
「…やっぱちょっと苦いっすね」
黄瀬がそう言い唇を離すと
Aは方針状態で黄瀬を見た。
「ごめんね、Aっち。でも俺…好きな子にこれ以上子供扱いされたくないんすよ。」
黄瀬があまりにも悲しく笑うから
Aは何も言葉が出てこない。
そんなAの頭をポンと撫でて
黄瀬は食堂を出ていった。
へたりとAはその場に座り込む。
唇からほんのり伝わる
ビールとは違うオレンジジュースの味に
顔が真っ赤に染まった。
「なにしてんだよ…私」
呟いた声は誰が答えてくれるわけもなく
ビールを片手にAも食堂を後にした。
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(俺、Aっちに…)
(私黄瀬くんとも…)
((どうしよう…))
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あきは - 初めまして!とても楽しくてキュンキュンしてます!更新大変かと思いますが、是非続きを読みたいです! (2019年1月10日 23時) (レス) id: 087715fee8 (このIDを非表示/違反報告)
chieko(プロフ) - Chikakoさん» おはようございます!コメントありがとうございます(*^^*) 嬉しいです(´;ω;`) 中々更新できずにすみません(ToT) 誰を書こうか迷走中です← 頑張ります!!ありがとうございます(*^^*) (2017年5月20日 11時) (レス) id: a95e3ff3e0 (このIDを非表示/違反報告)
Chikako(プロフ) - おはようございます!作品、楽しく見てます。更新、頑張って下さい!楽しみにしています! (2017年5月20日 10時) (レス) id: b1c9388361 (このIDを非表示/違反報告)
chieko(プロフ) - ツバキさん» ツバキ様!こちらも読んで頂いてありがとうございます(*^^*) こちらオールキャラ目指してます!楽しんで頂ければ幸いです( *;∀;) だいぶ亀更新になってるのでこちらも頑張ります!ありがとうございます\(^^)/ (2017年4月9日 20時) (レス) id: a95e3ff3e0 (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ - 拝見させていただきました!とても面白いですね!!ここでは、笠松だけでなくみんな可愛くてカッコいいですね!!こちらも更新頑張ってさい! (2017年4月9日 18時) (レス) id: 79a4cbf801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chieko | 作成日時:2017年3月12日 1時