年上彼女×高校生の彼等【黒バス】

灯台もと暗し ページ28

「み、緑間くん…ごめん…大丈夫?」
「Aさんは…大丈夫…みたいですね…」
「ぶほぉっ!!真ちゃんずぶ濡れ!!」

Aはドリンクを冷やすため
バケツに氷水を入れて持ってきた。
外周から帰ってくるから…
と彼女なりの気づかいだったのだが…
途中躓いてしまい、それを外周から帰ってきた緑間が助けようとしてずぶ濡れになったのだ。

しかもAは持ち前の運動神経で
踏みとどまっており…
ただの水被り損である。

Aは顔をひきつらせ
緑間は眉間にシワを寄せ
高尾は大爆笑し
他の皆は目を見開いていた。

「本当ごめん、変なとこで躓いちゃって…」
「Aさんのせいではないのだよ…」
Aが焦りながら、タオルで緑間を拭いてあげると、緑間の顔は赤く染まり目を反らした。

そんな緑間に高尾はムスッとしながら
「そうそう。全部おは朝のせいだから!Aさんは、こんなことしなくていいの!」
とAからタオルを奪う。

「おは朝?」
「そう。真ちゃん今日最下位なの」

その言葉にAは目を丸くして
「いつものラッキーアイテムは?」
と聞くと、緑間は苦い顔をした。

「持ってきてないものだったんです。」
「あー…なるほどね…、ちなみになに?」
Aが聞くと、緑間が答える前に
「ガーネットのアクセサリーですよ!おは朝鬼畜すぎるっしょ?!よりによって合宿中に!!」
高尾が爆笑しながら答えた。
「うるさい高尾。ですから、Aさんはお気になさらず」
そう緑間が眼鏡のブリッジをあげ戻ろうとすると、Aはキョトンとした。

「私持ってるけど?」
「「え?!」」

「ほら…」
そう言い、Aは首に手を回しネックレスのホックを外すと、チェーンの先についたガーネットのリングがシャツの中から顔を覗かせた。

それに緑間と高尾は目を丸くした。

「灯台もと暗しだな。」

Aはケラケラ笑い
緑間に近づき背伸びをすると
そのままネックレスを
緑間の首にまわしてつけてあげる。

緑間は顔を真っ赤にし
高尾は顔を真っ青にした。

「今日１日貸したげる。じゃ、頑張って」

Aは特に気にもせず
バケツを片手に去っていく。

「…真ちゃん」
「なんだ…高尾…」
「俺、初めてラッキーアイテムいいなって思ったよ…」
「ふん、今頃気づいても遅いのだよ」

落胆する高尾に緑間は勝ち誇ったように笑った。

それ以降緑間の調子が
すこぶる良かったのは言うまでもない。

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(緑間っち、今日も3P半端ないっすね)
(フン、Aさんのおかげなのだよ)

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