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続Starkyと祝杯 ページ10

完全に威嚇している。

「悪い、俺らも揶揄いすぎた、なぁ今吉」
「ごめんなぁ?Aちゃん可愛いくてつい」

宮地と今吉もさすがにまずいと思ったのか
謝るが、Aはツーンとそっぽを向いている。

「悪かったよ、折角のオフに」

そう俺がもう一度謝ると

「別に、祝賀会なら祝賀会って言って欲しかった」

と真っ当なことをポツリと話し出す。

「そしたら、ちゃんと、皆に、おめでとうって、ケーキとか、持って、きたのにっ…」

ポロポロとついに泣き出してしまって
全員がオロオロしてしまう。

「「「「「本当にごめんなさい」」」」」

全員1列に並んで土下座すれば
Aはぐすぐす泣きながら続ける。

「こんな、騙し討ち、しなくたって、ちゃんと来ましたもんっ、優勝したのっ、嬉しかったですもん…っ」

やべ、こんな状況で場違いなのはわかってるけど
きゅんとした。
いや、本当は泣き出した瞬間からきゅんとしている。

つーか、絶対全員思っている。
すげぇ可愛い…って。

その証拠に全員顔がほんのり赤い。

「ほんまごめんな、Aちゃん。今日はコレを渡そうと思ってな」

差し出したものは、全員でプレゼントしようと決めたもので

「なんです、これ」

ムスッとした泣きべそ顔でそれを手に取り
カサッと袋の音を立て中を見ると
Aは、目を丸くした。

「StarkyのチームTシャツ、全員お揃いのな」

宮地が笑ってそう言うと、Aはまた泣き出して

「まだ、私にマネージャーやらす気ですかぁ…っ」

と顔を手で隠しながら言う。

「海常からクレーム入れますよっ…」

その点は、元主将として本当に申し訳ないと思っている…

「勿論、部活優先じゃ!偶に顔出してくれるだけで嬉しいからの」
岡村が遠慮気味に、でも嬉しそうに言えば
樋口も優しい顔つきで笑った。

「Aちゃん、マネージャーとして優秀だから、もう他の子じゃ無理だしね、俺達」

まぁ、元々他のマネージャーを入れる気はなかったのだが…
洛山のマネージャーだった樋口に言われて、Aの顔は隠れて見えないが多分緩んでいる。

「あと、ケーキなら買ってきてるからな。後で皆で食べようぜ」

宮地の言葉にピクリと肩が跳ねる。

「Aちゃんが好きって言ってた、駅前のシフォンケーキやで」

今吉がそう言えば、Aはケロリとした顔を見せた。

「大嫌いは撤回して、ちょっと嫌いにしときます」

さぁ!早く、ケーキ食べましょう!

とAが言うから、皆で顔を見合わせて笑った。

Starkyの帰り道→←Starkyと祝杯



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作者名:chieko | 作成日時:2024年3月5日 11時

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