Starkyと祝杯 ページ9
「優勝おめでとうー!」
宮地の合図でグラスを合わせる5人
本当は俺の隣にもう一人いるのだが
ソイツはムスッとしながらグラスを両手で持っていた。
「アンタ達、ついこの間まで現役バリバリ全国区なんだから、優勝できて当たり前でしょ」
しれっと冷めたことを言いながら
オレンジジュースを飲む。
「冷てぇーなぁ、マネージャー」
「Aちゃん、ごめんなぁ、そんな煽りはきかへんよ」
ケラケラ笑いながら宮地と今吉が言えば
あからさまにAがイラッとしたのがわかった。
「大会終わりましたよね!?私、やっと丸1日オフなんです!なんでいるんですか?!ここに!!」
こことは、俺の家のことで…
だいぶご立腹だ。
でも、可愛いやつだなぁなんて俺は思っている。
つまり、俺と二人で久しぶりに1日会えると思っていたら
今吉達との祝賀会で怒っているのだ。
これを見たくて、今吉達は『祝賀会ということは言うな』
と言っていたのだろう。
「可愛え格好やったのに、残念やなぁ」
「本当ムカつく!」
今吉はAを煽るのが面白いらしい。
Starkyのマネージャーとして来ていた時は
動きやすそうなラフな服装で、化粧もせず、髪もそのままだったのに、今日は上から下まで可愛いデート服で化粧もしてるし、髪も緩く巻いてハーフアップしてるし、兎に角可愛い。
「すまんのぉ、Aちゃん。」
「今吉達、止められなくて悪かったな」
岡村と樋口が、心底申し訳なさそうに言えば
Aは表情を一変し、にっこりする。
「お二人は謝らないで下さい!大会お疲れ様でした」
なんて、可愛いらしいこと言うから
「やっぱり女の子のマネージャーはいいなぁ」と
二人はデレデレしだす。
「私が怒っているのはこの3人ですから」
「なんで俺まで入ってんだよ」
「当たり前です!なんなら1番怒ってます!」
フンと顔を思いっきり逸らされた。
今吉と宮地はそれに腹を抱え笑っている。
いや、まぁ、俺が悪いか…
「悪い、A。」
「許しません。今日は一切私に触らないで下さい」
キッと睨みつけてくる。
「触られる気でいたのになぁ?」
なんて今吉におちょくられたから
Aはスパァンっと今吉にビンタを食らわせた。
「大っ嫌い!!もう2度とStarkyのマネージャーはしません!」
ヤバい、半べそのAにさすがに可哀想になってきて
「A、本当ごめん。でも、今日集まったのは…」
頭を撫でようとしたら
パシッとソレを振り払われた。
「触んなって言ったでしょうが」
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作者名:chieko | 作成日時:2024年3月5日 11時