検索窓
今日:23 hit、昨日:14 hit、合計:1,835 hit

笠松先輩の好み ページ6

聞いてしまったのだ

聞くつもりはなかったのに。


「去年の今頃っすよねー。みんなで合コン行ったの」

「中村(ら)も来(れ)ば良かったのに」

「俺はナンパがそもそも無理だ」


黄瀬が話し出して
それに早川先輩と中村先輩も参加しだした。

部室のドアの前で、考えてしまう。
今入っても話の邪魔にならないのか。
考えている間に合コンの思い出話が加速して
森山先輩や小堀先輩の失態の話を聞き
思わず笑いそうになってしまう。


「いや、でも一番やらかしたのは笠松先輩っすよねー。乾杯って言おうとしたのを、おっ◯ーいって。どんだけ、胸に目いってたんすかね。」

「でも気持ちはわか(る)。みんな大きかったもんな」


黄瀬と早川先輩の言葉に笑いなんか収まっていた。
なんなんだ、このイライラとモヤモヤが合わさった気持ち。


「絶対、笠松先輩って大きいの好きっすよねー」


わかっている。
こんなの笑い話なのだ。
なのに、

チラッと自分のを見る。
別に小さいわけではない。
ソレなにりある…と思う。
でも、サツキや南みたいなのが大きいんだろうから
それに比べたら、、、

なんだか泣きそうになってきた。

まだ黄瀬と早川先輩が楽しそうに思い出話をしようとしたら
中村先輩の溜息が聞こえた。


「その辺でやめとけよ。A?大丈夫か?」


部室のドアがガチャと開けば、中村先輩と目が合う。

後ろで黄瀬と早川先輩は青ざめていた。


「悪い、俺も今気づいたから、止めるのが遅くなっ…」

なんかわかんないけど、
いろんな感情でポロポロと涙が溢れてくる。
中村先輩達があからさまに慌てだしたが
止まんなかった。


「すみません」

「「「いや、こちらこそすみません」」」


涙が止まって謝れば、3人に土下座の勢いで謝られた。


「いや、大丈夫っすよ?笠松先輩、Aっちのこと本当に好きっすよ?合コンの話は過去だから」

「おもし(ろ)可笑しく言ってただけだ!気にす(る)な!」

「…でも、実話ですよね」

「「はい」」


しーんと部室が静まり返る。


「…笠松先輩は女の子がそもそも苦手だったから、普通に喋ることができていたAは、特別だったと思うぞ」


中村先輩にフォローされたが


「それって、女の子らしくないってことでは」


卑屈になってしまった。


そして、3人はまた黙り込む。


「大丈夫です。本人に直接確認します。」


3人は青ざめていたが
どうしてもモヤモヤするので仕方がない。
笠松先輩に私の家に来て欲しいと連絡した。

修羅場→←南ちゃんと恋話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
34人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:chieko | 作成日時:2024年3月5日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。