海常祭 �� ページ15
「なんで大輝がいんのよ」
「なんだそのカッコ」
サツキに誘われて、海常祭に来てみれば
Aが露出狂になっていて
青筋が浮かんだ。
あっちもそっちもお前のこと見てんだろ。
なんでわかんねぇんだよ。
金髪お団子は新鮮で
そこまでならいただけるが
その服はダメだろ。
「えー、可愛いよ」
サツキはそう言うが、女の感覚は違ぇんだよ。
「あ、青峰っちー!来てたんすか」
黄瀬は黄瀬で巫山戯たカッコだ。
南ちゃんは普通に可愛い。
「つーか、南ちゃんと衣装チェンジしろよ」
「はぁ?!アンタまた変な目で南のこと見て!最低!」
それがわかってんなら、着るなよ。
特大溜息が出た。
「別に、いいでしょ!大した格好じゃないし!」
なんて怒るから
説教食らわそうと思ったら…
「いや、ダメだろ」
すげぇ低い声が聞こえて
あからさまにAの顔が引きつった。
「あれー、笠松先輩、早いですね…」
「とりあえずその羽を一旦とれ」
俺が何言っても聞かなかったのに
Aは、しょんぼりしながらソイツの言う事をきく。
「これ来ろ」
自分が着ていたジャケットで
Aを隠すように掛けてやっている。
サツキが隣でキャーキャー言ってるが
俺はイラッとした。
笠松の野郎、やりやがる。
「笠松先輩ー!ダメっすよ!ひとり占め!」
「うるせぇ!だいたいなぁ、黄瀬!なんでお前が一緒にいて、こんな衣装着させることになんだよ!」
笠松は怒りながら黄瀬をシバいていた。
それは、俺も思っていた。
「えー、可愛いじゃないっすか。可愛いっすよね?」
黄瀬が着せたばっかの笠松のジャケットを脱がして
笠松の前に見せつけた。
「っー!!可愛いのはわかってんだよ!でも、他の奴に見られたくねぇだろ!」
笠松が真っ赤になって言うことに
Aの顔もまた真っ赤に染まった。
おーい、俺は一体何を見せられてんだ。
「おい、A、いいか?お前の彼氏でさえ、お前のことをえろい目でしか見てねぇんだ。ちゃんと服着ろ。」
真面目な顔でそう言えば
笠松の顔は更に真っ赤になり
サツキと黄瀬はドン引きの顔をして
Aは…
「いっぺん死ねよ」
ガチギレしていて、気付いた時には殴られていた。
「大ちゃん、なんで素直に心配って言えないの?」
サツキが呆れたように俺を見ている。
Aを見れば
黄瀬から笠松のジャケットを引ったくり
しっかりソレを着たから…
まぁ、とりあえず良しとするか。
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作者名：chieko | 作成日時：2024年3月5日 11時
