検索窓
今日:22 hit、昨日:14 hit、合計:1,834 hit

Starkyの帰り道 ページ11

「可愛ええなぁ、Aちゃん」

「ええ子じゃな」

「そりゃあ、笠松もぞっこんになるよな」


帰り道、今吉、岡村、樋口が溜息をつきながら言っている。

可愛い、可愛い、とAを持て囃していた。

おい、人の彼女だぞ。


「あれは、笠松の前限定だろ」


俺がそう言えば、3人は「確かに」と頷く。


「今頃、笠松と仲良うしとるんやろなぁ」


ふと呟いた今吉の言葉は、嫌でも色々想像させられた。


「でも、一切触んなって怒ってなかったか?アイツ」


俺が苦笑いしながら言えば、


「あれは、傑作やった」と今吉はケラケラ笑っている。


コイツ、本当性格わりぃな…


「でもな、あれ、本心ちゃうで。あないな可愛ええ格好してきて、説得力ないて」


確かに、今日のAはちゃんと女の子で
ちゃんと笠松の彼女に見えた。


「羨ましいのぉ…」

「ほんまやで。彼女欲しなったわ。」


岡村が遠い目で見ながら呟けば
今吉は眉間にシワを寄せながら同意する。
恐らく、岡村と今吉じゃ羨ましいの質が違うのだろうが…
岡村が不憫だからツッコまないことにした。



Aなぁ…

彼女にしたいかは置いといて、

Aみたいなマネージャー
秀徳(うち)にも欲しかったな…


ぼんやりと
先程の「Starkyが優勝して嬉しかった」と
泣きながら言っていたAを思い出す。


「でも、まぁ、Aが泣いたのは可愛いかったな」


つい口に出してしまった言葉は

他の3人の足を止めた。


「宮地…お前ってやつは…ほんまSやな。」

「笠松には言うんじゃないぞ。」

「趣味嗜好は人それぞれだからな。否定はしない。」

「そういうんじゃねぇ。纏めて轢くぞ」


今吉、岡村、樋口が変な勘違いをして口々に言ってくるから

とりあえず否定しといた。

あくまで俺はAのことを後輩として接した上でだ。

言うなれば、緑間や高尾と同等。

つーか、今吉からSとか言われんの心外だわ。

どう考えてもお前が一番誰よりもドSだろ。



「まぁ、俺もおんなじ事思ったけどなぁ。

  …Aちゃんの泣き顔ええなぁって。」



ニヤリと笑う今吉。

ほら見てみろ。こっちのがやべーじゃねぇか。


今度、こっそり笠松に忠告しておこう。

仲直り→←続Starkyと祝杯



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
34人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:chieko | 作成日時:2024年3月5日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。