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誓い ページ4

…かれこれAからの最後の連絡を貰ってから一時間は軽く経っている
あいつが最後に送ってきた住所からならそう遠くは無い筈なのに…いくら何でも遅すぎるし、事故にでもあったのか?とか色々嫌な予感が頭に過る

『今どこ?無事に向かってこれてる?』
と二十分前に送ったメッセージにすら既読はまだ着かない

そろそろ本格的に探しに出た方がいいのではないかと思い立ち、上着を取り部屋から飛び出そうとしたその時にピーンポーンとチャイムの音が鳴り急いでドアを開けに玄関に向かう


少し扉に手をかけ深呼吸をする


そして、ドアを開いた瞬間そこには
一年半前と違い、少し痩せて生気の無い彼女が申し訳なそうに立っていた

しかもまだ夏が明けたばかりの秋とはいえ、少し肌寒いこの時期に薄着で
俺は思わず息を飲んで黙って見つめてしまう
多分この時の俺はとても酷い顔をしていたと、自分でもそう思う程に怒りに満ちた表情をしていただろう

「っ…久しぶり…」

「久しぶりだね…えっと、あの急に押しかけてごめんね」
そう言う彼女の声は微かに震えていて見ていられなかった
今すぐにでもこの小さい華奢な体を抱きしめてしまいたいと思う程弱りきっている

「大丈夫だよ、寒かっただろ?
上がって」

「…お邪魔します」



彼女を部屋に通し暖かいお茶とひざ掛けを出すとやはり申し訳なそうに「ごめんね…」と謝る
最後に会った時はあんなに生き生きとした笑顔で声で喋って楽しそうにしていたのに一体この一年半で何があったんだと思わせるほどの変わり様に原因なんてわかりきっているのに追及して全部吐かせて現況を殴りに行きそうになる感情をぐっと堪え彼女と目線が合う高さまで跪きジッと目を見つめる

「大丈夫、俺は何年経ってもお前の見方だよ
だからできる事なら何があったのか全部話してほしい」

「っ…本当に…?」
今にも泣きそうな彼女に心が酷く締め付けられる
でもそれ以上に今辛いのはAであって俺ではない

忘れるな、今彼女の傍にいて味方になれるのは俺だという事を

「うん、だからさ聞かせてよ」
ぎこちなく笑いながらAの頭を撫でてやると安心したのかボロボロと泣き出していく
そんな彼女を慰めて落ち着かせて少しずつ話を聞いていくと悪夢の様な話が溢れ出る様に出てくる

誓い→←誓い



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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2022年7月10日 22時) (レス) @page18 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまごきゅうり | 作成日時:2021年1月13日 0時

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