～鈴蘭の誓い～ (ページ16)

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誓いページ16

彼女の手を引いたままショッピングモールまでの道を歩いていく

今日は平日だからか道も混んでいなくて歩きやすい、それによく晴れていて秋の肌寒さを感じさせないくらいに暖かい日になってくれて良かったと思う
隣に歩く彼女を横目で見ると嬉しそうに頬を緩ませながら色々見ながら歩いていた

「きょろきょろしすぎ
転ぶなよ？」
思わずそう告げた俺に彼女は少しむっとした表情になり言い返してくる

「…転ばないよ！
それに…転ぶ前にうらたさんが絶対に受け止めてくれる…って信じてるから」
そう言う最後の方には耳を赤くしてそっぽを向いている彼女がそこに居た、そんな彼女を見てまた少しの愛しさを増しながら

「まぁこんな所で転んだら怪我するし…
ちゃんと受け止めるから安心してよ」

俺が彼女にそう返すと微笑み返してくれる
そこからの俺たちは止まった時間を取り戻すかの様に喋りながら買い物を済ませてご飯も食べて一日を過ごしていた

まるで昔に戻ったかの様に子供の様にはしゃぎながら二人で過ごしていた
必要な物も買えたしとても充実した一日になった

彼女が隣にいるだけで俺の世界はこんなにも明るく輝いて素敵な宝物に変わっていく
今なら何でも出来そうな気だってしてくる、こんなに自分は単純な奴だったのかと少し恥ずかしくなってくるけどそのむず痒い感覚がなんとも言えない心地良さを与えてくれいる

今も隣に彼女が居て俺に身を委ねてくれているという事実が俺の心の中の黒いもやもやを取っ払ってくれている

だからかすっかりと俺は忘れていた
返ってから待ち受けていた状況を

今朝事の約束を忘れてしまっていたのだ

あぁ、帰り道での呑気な自分をぶん殴ってやりたくなる