～鈴蘭の誓い～ (ページ13)

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誓いページ13

彼の手を握ったからか私の発言に驚いたのか目の前には少し目を見開く彼がいる
私達二人を纏う空気が少し甘く感じるのはきっと私の行動のせいだ

「それっ…」
そんな空気を誤魔化す様に私の口は勝手に動いていく

「ほらっ…うらたさんってなんだかお兄ちゃんみたいだから…！」
慌ててそう言い放った私の言葉にうらたさんは固まりその姿を見た私はもしかしなくても余計な事を言ってしまったのではないかと不安に駆られつつそっと彼の口から紡がれる言葉を恐る恐る待ってしまうけど、この一言のせいで嫌われてしまったらどうしよう。折角助けて貰った人になんて事をなんて考えがちらついてしまい無言になってしまった彼の顔を未だに見れずにいるのだ

「…お兄ちゃんねぇ…」

そうして彼の口から紡がれた言葉は短い一言だけだった
それ以降完全に考え込む様にしてしまった彼に何も言えないまま数分の時が流れていく
この空間が気まずくて話題をなんとか変えようと頭を巡らせていると

「決めた。
お兄ちゃんみたいなんて今日で思わせない様にしてやる」
と彼が突然に言い出した

「えっ…？」

「だからさA
今日のデートいっぱい可愛い恰好してきてよ」

「あ、うん
デート用の服…え？」
彼の口から発せられた驚くべき言葉につい反応してしまったが少しして違和感に気付く
今、デートって言った…？もしかして、うらたさんの中で今日の買い物ってデートのつもり…いやいやそんな訳…と一人で百面相しているとそんな私の様子を見たうらたさんが楽しそうに微笑んでいる

「緊張しなくていいよ
…ちゃんとエスコートするから、ほら着替えてきな」

「っはい…」
そう言われ私はリビングの扉を後にし寝室に入ると同時に膝から崩れ落ちた

まさか、あのうらさんからデートなんて言われる日が来るとは思っていなかったし何よりも

「あんな真剣な顔されて言われたら…本気にしちゃうよっ…」

家族と居る時の安心させるかの様な事をしたと思ったら頼りになる男の子らしい姿を見せられたり、ふと優しくされた時の事もずっと頭に浮かんで離れない

私のまだまだ彼に翻弄される日々は続きそうです