2 神様と1杯 ページ2
僕の朝のルーティンは、起きてすぐ適当に身支度をしてから、そのままエプロンをつけてキッチンに入ることだ。
キッチンには、神様がいる。その神様に失礼のないように朝イチで出迎えるのだ。
まずはお弁当作り。昨日の残り物をレンジで温める間に、卵焼き、ウインナー、葉野菜のお浸し等々をテンポよく作っていく。
就寝前にタイマーをかけておいた炊飯ジャーが炊きあがりの声をあげる。弁当箱に出来上がった品々を詰めて、冷めるまで蓋を閉めずに放置。
次に朝食作り。ケトルに少し多めの水を入れて、ボタンを押す。十数秒もすれば、お湯の出来上がり。2つのマグカップに少しだけお湯を注いで、時間を置く。
朝だからこそ、手間暇を惜しんではダメだ。
その間に食パンをトースターに入れて、小さなフライパンで2人前の目玉焼きとベーコンを焼く。
皿にレタスとミニトマト、目玉焼きベーコントーストを盛り付ける。
その頃にはケトル内の温度が80度まで下がっている。
ここからが正念場だ。
マグカップのお湯を捨てて、電動コーヒーミルで豆を素早く挽いた後、ドリッパーに粉を2杯入れて、円を描くようにお湯を注ぐ。少し注いで、蒸らしにきっかり30秒。
その後は何回か小分けに注ぎ入れ、カップ丁度の量になるまで繰り返す。
デジタルの計りがあればもっと完璧になるんだけどな。今度お願いしてみよう。
そうして出来上がったコーヒーを食卓に出すと、少し寝癖を残したカルエゴさんが席で待っていてくれる。
以前まではコーヒー1杯だけで出勤してたみたいだけど、僕が作り出してからはしっかりと食べてくれる。うんうん、健康的な生活には食事からってね。
「いただきます」
カルエゴさんは、礼儀がきちんとしている人なので、ながら食べというものをしない。
だから僕もそれに倣って、食事にきちんと向き合うことにしている。
うん、最高の1杯だ。神様は今日も機嫌がいいらしい。
「あ、今日って遅くなるんでしたっけ」
「ああ、夜はいらないからな」
「作り置きもいらないですか？」
「じゃあ、なにかつまめるものを頼めるか」
「わかりました。あ、あのワイン開けちゃっていいですか？」
「おい。勝手に開けるな」
「ちぇっ。ケチー」
「……帰ってきてからな」
「！へへ、楽しみしておきます！」
喜びを隠しきれず、バタバタと足をばたつかせてしまう。カルエゴさんはそれを一瞥したが、特に注意することもなかった。
ああ、夜が楽しみだ！
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奏(プロフ) - 本編もおまけもとっても面白かったです〜！友達以上恋人未満の関係の設定がめっちゃ良かったです！作品制作お疲れ様でした！作者様の他作品も見させていただきます〜！ (2023年2月25日 8時) (
レス) @page37 id: 89231dfe0c (このIDを非表示/違反報告)
南条(プロフ) - ガスカさん» コメントありがとうございます！応援のお言葉本当に嬉しいです。とても励みになります！ (2022年12月18日 20時) (レス) id: 97d2c6287f (このIDを非表示/違反報告)
ガスカ - 続き楽しみにしています。頑張ってください!応援してます (2022年12月18日 18時) (レス) id: 59f6634a23 (このIDを非表示/違反報告)
南条(プロフ) - ルーミアさん» コメントありがとうございます！主人公の過去については、ゆっくり紐解いていきますので、気長にお楽しみいただければと思います！ (2022年12月5日 19時) (レス) @page16 id: 97d2c6287f (このIDを非表示/違反報告)
ルーミア - 昔に何があったのでしょうか気になりますね！次の更新頑張ってください！楽しみにしています (2022年12月5日 14時) (レス) @page15 id: 1c035b5819 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：南条 | 作成日時：2022年11月18日 8時
