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——とあるお屋敷のとある部屋。

その部屋の一角に棚がある。

大きくも小さくもないが、綺麗に装飾が施された品の良い棚だ。

その棚に飾られように並ぶのは、一冊一冊が分厚い“アルバム”。

中を開くと、そのアルバムの主人公(ヒロイン)が誰なのかはすぐにわかる。

アルバムの中の彼女は泣いたり笑ったりと、とても忙しそうだ。

偶に映り込む赤毛の青年は、彼女が笑う姿を見て笑い、泣いてる姿を見て悲しそうに心を痛めていた。

その瞳はどれも共通して慈愛に溢れ、ヒロインはページを捲るごとに、その慈愛に気づくそぶりも見せずに育っている。

寝返りを打ち、座れるようになり、離乳食を食べ、立ちあがり、そして歩く。

その間に何枚も何枚も、彼女の写真が貼られている。

一番最後には、どのアルバムも決まって“3人”の集合写真だ。

1人はヒロイン、1人はヒロインの兄、1人は毎回最後のページのみに登場するこのアルバムの制作者だ。

家族のような間柄なのだろう。

顔も、血も、何一つ似ていない3人だ。

そして、アルバムの中の少女はまだ知らない。

この、あべこべな家族の輪にもう1人、仲間が増えることなど、1ミリも。執筆状態:更新停止中

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作者名:ラーメン x他1人 | 作成日時:2024年2月4日 0時

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