検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:9,005 hit

紅覇side ページ3

鍛錬を終え、二人で僕の部屋に向かう。


『二人でここまで上達したんですから、もっと上までいけますよ!頑張りましょう?』


紅覇「うん。だから、僕落ち込んでなんかないし〜」


『本当にですか?…それならいいのですが…』


紅覇「うん、それでいいの」




本当は、それでよくなんかない…


僕は従者のAに負けてしまうほど弱い。


従者の僕の彼女のA。



………こんなんじゃ、Aを守れないじゃん。




Aを守れる力もないし、権力もない…



だから………。

急にあの時のことが思い出された。



そこは紅炎の部屋。


紅覇「炎兄、実は報告があるんだ」


炎兄は僕を見つめる。



紅覇「僕、Aと付き合うことになったんだ。」


炎兄は黙ったまま僕を見つめ続ける。



紅覇「僕、Aのことがほんっとーに!
大好きなんだ!!」


紅炎「そうか。」


炎兄はいつもの顔で言った。

何を考えているかよくわからない。


紅覇「それで……まだ早いと思うんだけど、いつかAと結婚……」


紅炎「無理だ。」


紅覇「!!」



そう言われるかも、とは思っていたが実際言われると心が痛む。
それも、少し期待していた僕がいたからだ。



紅炎「紅覇。お前、立場を分かっているのか?
お前はいつか他国の皇女と婚約するのだぞ。」



紅覇「それでも……!」


紅炎「無理な話だ」




『紅覇様?どうされました?お顔の色があまりよくないですけど……』


…!!


Aの声で現実に戻ってきた。



紅覇「あ……ごめん!僕、用事思い出しちゃったから先に部屋に行ってて〜」


『はい、分かりました……』


Aは少し困ったような顔をして歩いていった。




僕は向きを変え、歩き出した。


紅覇「ふぅ…」


着いたこの場所は野原。

城から少し離れた場所にある。


小さい頃はここで、よくAと遊んだなぁ。



頭の中にはにこっと笑うAの顔。


Aと結婚したい。

結婚したら一緒に出掛けたり、二人の時間を楽しんだり……



そんな妄想をしていると、急に現実に戻される。



結婚するには、楽しい時間を過ごしたいなら。



僕には力がいる。権力も必要だ。



結局は、自分が強くなければいけないのだ。


なのにAよりも弱いだなんて、


僕がAと過ごす資格なんて……



……ない。

心配→←鍛錬



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
設定タグ:マギ , 紅覇 , 玉燐
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:玉燐 | 作成日時:2016年2月7日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。