検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:35,424 hit

十七輪 ページ28

どこか気の抜けたようなそーくんの声を聞きながら、私は二人分のお皿を用意し始めた。









.









「ん、美味そうな匂い」

「本当。そーくん、手伝ってくれてありがとう」



あれから少しして、私達はやっと落ち着いて食卓につくことができていた。

そーくんが手伝ってくれたから、一人でやるよりも全然早く終わってしまった。


お礼を言うと、そーくんは、ん、と頷いて

「ほら、早く食おうぜィ。
腹減って仕方ねェんでィ」

と言った。


「そうだね。
じゃあ……いただきます」

「いただきやす」


私達は二人で手を合わせ、夕ご飯を食べ始めた。









.









次の日の朝。

私は簡単な朝食を作り、そーくんと二人で食べていた。


テレビをつけてみると丁度ニュースをやっていた。
特にこれといって見たいものがあったわけではないので、そのままにしてご飯を食べている。



(昨晩も思ったけど……何だか少し、寂しいな……)

屯所の賑やかな食堂に慣れてしまったからか、二人きりの食卓は少し寂しく感じた。



鳥の鳴き声が響く中、そーくんはふと口を開いた。

「案外片付いてんな」

「……え?」


キョトン、としてそーくんを見ると、そーくんはぐるりと目線だけで家の中を見渡しながら言う。

「もうちょっと散らかってるかと思ったんだがねィ……案外片付いてて少し意外だったんでィ」

まぁ少し予想通りではあるがねィ、とその後にそーくんは小さく付け足す。


「ミツバ姉、結婚した後はこの家に戻って来ないつもりだったらしいから……。
必要最低限の物しか残ってないのかも」


そう言うとそーくんは「あァ……」とどこか納得したように、ゆらゆらと視線を彷徨わせながら言った。

言ってはいけないことを言ったかもしれない、と少しヒヤリとしたものの、そーくんは食べ終わったのかお箸を置きながら言う。



「んじゃァ、片付けにはそんなに時間かかんねェってことか」

「う、うん。……多分……」


曖昧な頷きを返すと、じっと見つめられ何となく居心地が悪くなる。
いや、正確には悪くはないんだけれど……何というか……は、恥ずかしい?



どきまぎしている私を置いて、そーくんは「ご馳走さん」と立ち上がってしまう。

ぼんやりとそれを見ていると、そーくんが私に目を向ける。

「ほら、早く食べなせェ。
今回の皿洗い俺がやっとくから」

「え……いいの?」


思いがけない言葉に目を瞬かせると、そーくんは頷いた。

十八輪→←十六輪



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 神威   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

赤羽@美羽(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪ (2020年3月13日 9時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ面白いです!さっそくお気に入り登録しちゃいました!更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2020年3月12日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2019年9月11日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。