* ページ12
眉を寄せて言うお登勢さんに、私も眉尻を下げながら言う。
「そんなことないですよ。
坂田さんには沢山お世話になっていますから。
私の料理で喜んでもらえるなら、いくらでも作ります」
そう言うと、お登勢さんはふっと微笑んだ。
「そうかい……。
あァ、台所なら遠慮なく使ってくれて構わないよ。
冷蔵庫の中も自由に使っとくれ。
大したモン入ってないけどね」
「ありがとうございます。
ちょっと台所を見せてもらってもいいですか?」
「あァ、構わないさね。
そこの暖簾くぐってすぐそこだよ」
「ありがとうございます」
お登勢さんが言った通り暖簾をくぐると、結構しっかりした台所があった。
戸棚を開けたりして備品を確認していると、キャサリンさん達が入ってきた。
「おや?A様。
どうなされたのですか?」
「ハッ!マサカオ前、強盗ニ……ブヘラッ」
「A様に限ってそれはないでしょう。
どうなされたのですか?A様」
キャサリンさんをモップで殴ったたまさんは何事もなかったかのように私に問う。
「あ……その、坂田さんのお誕生日パーティーのご飯を作る役を任されたので……どんな調理器具があるのか気になって見ていました」
「なるほど。
ほらね、A様に限って強盗はあり得ません。
銀時様ならともかく」
「……」
たまさんの毒舌さに思わず苦笑をこぼしていると、お登勢さんが台所に入ってきた。
「どうだったかい?
何か足りないものとかあったかい」
「いえ。
調理器具は完全に揃えてあってビックリしました。
これならほとんどの料理は作れます」
「そうかい。
そりゃよかったよ」
「はい、ありがとうございました」
私は一応、気絶しているキャサリンさんにもお礼を言ってからスナックお登勢を後にした。
.
(う〜ん……どういう料理なら坂田さん、喜んでくれるかな……)
スナックお登勢を後にした私は、本屋さんで沢山ある料理本から何冊かをピックアップして立ち読みをしていた。
何かピンとくるものがあれば買って帰ろうかと思ったのだけれど、坂田さんの好みが分からないからどうしようもない。
う〜ん、と悩んでいると、ポン、と後ろからいきなり肩を叩かれ、私は肩を跳ね上げさせながら振り返る。
「そっ、そーくんっ?」
「何読んでんでィ」
そーくんはそう言って私の手元の本を覗き込む。
68人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤羽@美羽(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪ (2020年3月13日 9時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ面白いです!さっそくお気に入り登録しちゃいました!更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2020年3月12日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2019年9月11日 7時