【番外編】銀ちゃんお誕生日企画 2019ver. ページ11
「あ、いたいた!Aさん!」
歌舞伎町の町中で聞こえてきた声に振り返ると、新八さんと神楽ちゃんが駆け寄ってくるところだった。
「新八さん?神楽ちゃん……?
どうしたんですか?」
足を止めて尋ねると、新八さんが口を開く。
「実はですね……もうすぐ銀さんの誕生日なんです」
「坂田さんの?」
「うん!だからネ、A。
Aにお誕生日パーティーのご飯を作ってもらいたいアル!」
「ご飯を……私が?」
「はい。
姉上に作らせると死者が出るし……何より、銀さんがAさんの料理気に入ったみたいなので」
(死者……)
お前さんのご飯の話になると必ず物騒な単語が出てくるのは何でだろう……。
そんなことを考えていると、「あ、もしかして……何か先約がありましたか?それなら……」と眉を下げて新八さんが言うので、私は慌てて首を横に振る。
「いえ。特に何の予定もないので、ご飯は作れますよ」
「マジアルか!
Aありがとネ!」
そう言って抱きついてくる神楽ちゃんの頭を撫でていると、新八さんが言った。
「誕生日会は銀さんの誕生日当日……10月10日の夜7時から、スナックお登勢でを予定しています。
メンバーは、銀さんと神楽ちゃん、僕、姉上、九兵衛さん、長谷川さん、お登勢さん、キャサリン、たまさん、Aさんの10人の予定です。
ちょっと大人数なんですが……大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ」
頷いて答えると、新八さんも嬉しそうに「ありがとうございます!」と笑った。
これから色々買い出しがあるから、と私に手を振って行ってしまった二人を見送ってから考える。
(人数が多いし……できればスナックお登勢の台所を借りたいな)
買い物の途中だったけれど、決して急ぎというわけではないので、私はそのままスナックお登勢に向かうことに決めた。
.
ガラガラガラ……、と音を立てて扉を開くと、お登勢さんがカウンターのところで煙草を吸っていた。
「おや、アンタかい。珍しいね」
「こんにちは、お登勢さん」
私が店に入ると、さり気無く煙草の火を消してくれるお登勢さんは優しい。
「どうしたんだい」
「あ……実は、坂田さんの誕生日会でのご飯作りを任されたので、ここの台所を借りれないかと思いまして……」
「引き受けてくれたのかい?」
少し驚いたようにお登勢さんは言う。
「あのちゃらんぽらんのためにねェ……。
アンタ、人が良すぎないかい?」
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赤羽@美羽(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪ (2020年3月13日 9時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ面白いです!さっそくお気に入り登録しちゃいました!更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2020年3月12日 14時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2019年9月11日 7時