五輪 ページ6
「お待たせしました」
そう言って、私は部屋の障子を開ける。
「お帰り〜」
そう怠そうに言った坂田さんは、畳の上に寝転がり、完全に寛いでいる。
(悪いわけじゃないから、別に良いんだけれど)
私はお盆を畳の上に置くと、食器を分け始める。
「わざわざありがとうございます」
「いえ。
飲み物はお茶でよかったですか？」
「あ、はい！ありがとうございます！」
そんな私に、神楽ちゃんが待ちきれない様子で寄ってくる。
「ヒャッホーイ！早く食べるアル！」
「うん、そうだね」
「早く、早く！」と急かす神楽ちゃんの前に、私はゼリーを広げる。
「えっと……苺味と、蜜柑味と、ブドウ味と、メロン味と、りんご味ですか」
「俺いちご〜」
「酢こんぶ味はないアルか？」
「……酢こんぶは流石にないかな……」
「じゃあブドウがいいアル！」
「ちょっとアンタら！少しは遠慮しろよ！」
「ふふ。大丈夫ですよ、気にしないでください」
「でも……」
まだ何か言いたそうな新八さんを置いて、私は神楽ちゃんと坂田さんにゼリーを渡す。
「どうぞ」
「ありがとアル！」
「お〜、ありがとさん」
神楽ちゃんは早速ゼリーに食いつき、坂田さんは身体を起こしてゼリーに手を伸ばす。
「新八さんはどうしますか？」
「あ、僕は残り物で……」
「そうですか？
じゃあ……りんご味を貰います。
新八さん、どうしますか？」
「あ、えっとじゃあ……蜜柑味で」
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
私は蜜柑味を新八さんに渡してから、残ったメロン味を袋の中に戻す。
それからゼリーを口に運ぶ。
「あ、美味しい」
「ネ、美味しいアル！」
「それは良かったです。
このお店、姉上のお気に入りの……」
「あー、美味しかった」
「「「……え？」」」
思わず、私も神楽ちゃん、新八さんは声を合わせてしまう。
「……ぎ、銀さん。もう食べ終わったんですか？」
「おー、美味かったよ、新八くん」
と、何でもないことの様に言う坂田さんに、私は思わず「早いなぁ」と感心してしまうのだった。
「じゃあ、僕たちはこれで失礼しますね」
「じゃあね、A！
風邪早く治すアルよ！」
「お大事にな」
「ありがとうございます」
ゼリーを食べ終えた後少しお喋りをして、神楽ちゃん達は帰って行った。
時間を確認すると、大体4時くらい。
(お夕飯まで、あとちょっと寝てようかな)
そう思った私は、再び布団の中で目を閉じた。
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赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» いつも読んでくださりありがとうございます！そういうことを言っていただけると、とても嬉しいです！創作意欲につながります！更新頑張ります！ (2019年6月20日 7時) (
レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - お久しぶりです！更新ありがとうございます！いつも楽しく読ませていただいてます。土方さんと一緒にいる主人公ちゃんを見て怒る沖田さん。主人公ちゃんに優しい沖田さん好きなのでこれからも楽しみです！ (2019年6月19日 19時) (レス) id: 98522d48ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤羽@美羽 | 作成日時：2019年3月28日 16時
