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六輪 ページ7

「おい、A」

「……ん」

……誰かに身体を揺さぶられている感覚がする。

(誰だろう)

起きなきゃ、と思っていたら。


「チッ……起きやがれ」

「いたっ」

ペシッと額を叩かれて、私は思わず目を開ける。

「あ、やっと起きた」

そこにはそーくんのみがいて、さっき私を叩いた犯人はそーくんであることがすぐに分かる。

「……そーくん、おはよう」

何で叩くの!という気持ちを込めて少し眉を寄せてそーくんを見ながら言ったけれど、

「おはようじゃねェやい。外見てみろィ」

と、その視線をモノともせず、そーくんは言った。


そう言われてそーくんの後ろにある障子を見る。
そこから光が差し込んでいないことを知って、今が夜であることを知り、私は言った。

「……確かにそうだね」





その後少しの間訪れた沈黙を破ってそーくんが言う。

「昼飯は食ったか?」

「……ゼリーを一つ」

素直に答えると、そーくんは眉を微かに寄せて言う。

「んな栄養ねェもんしか食ってねェのか?」

「神楽ちゃん達がお見舞いに来てくれた時に持ってきてくれたから……」

その言葉にそーくんは眉間の間のシワを濃くして言った。

「クソチャイナが来たのか」

「そーくん、口が悪い」

私が指摘すると、そーくんは「アイツはいいんでィ」と不機嫌そうに言った。

「おい、そんなことよりA」

「?」

「夕飯、食堂まで食いにこれるかィ?」

(……もう、そんな時間なんだ)

一日中寝てたから時間の感覚が可笑しくなってるみたい。


「うん、行けるよ」

私は身体を起こして言った。

「1日寝てたらよくなっみたい」

「……そうかィ」


そーくんはそう言って立ち上がる。


「ほら、行くぜィ」

「っ、うん」

私は慌てて頷き、そーくんを追いかけた。









.









食堂に着くと、もう既にたくさんの隊士の方々が食事を取っていた。

きょろきょろと食堂を見回していると、私の手首を掴んだそーくんが一直線に歩き出す。

「っ……そーくん?」

驚いてそーくんの名前を呼んだけれど、そーくんは気にも止めずにカウンターに行き、中にいる人たちに言った。

「おばちゃーん、こいつの分の粥頼まァ」

「はいはい、ちょっと待ってねー」

そーくんが言うと、中から優しそうな声が聞こえ、暫くしてお鍋が出てくる。

「熱いから気をつけてね」

「あ、ありがとうございます」

受け取ろうとすると、横からそーくんの手が伸びてきて代わりに鍋を受け取ってくれた。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» いつも読んでくださりありがとうございます!そういうことを言っていただけると、とても嬉しいです!創作意欲につながります!更新頑張ります! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - お久しぶりです!更新ありがとうございます!いつも楽しく読ませていただいてます。土方さんと一緒にいる主人公ちゃんを見て怒る沖田さん。主人公ちゃんに優しい沖田さん好きなのでこれからも楽しみです! (2019年6月19日 19時) (レス) id: 98522d48ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2019年3月28日 16時

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