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四十二輪 ページ44

お店から聞こえる店員さんの元気な呼び声も、走り回っている子供達の笑い声もどこか遠くに聞こえる。





ぼうっと歩いていると、「あー、いたいた」という気だるげな声がして、振り返る。

すると、そこには。

「……坂田さん」

左手を軽くあげ、「よー」と、私に歩み寄ってくる坂田さんがいた。

「どうしたんですか」

(私に用があるみたいだけど……)


私の目の前で立ち止まると、坂田さんは懐から一枚の封筒を出して、私に差し出した。



「はい、コレ、お前さんに」

「……え?」

差し出されたことに対する条件反射で思わず受け取ってしまった封筒を見て、私は驚く。
だって、それは……私がミツバ姉に頼まれて、買って行った封筒だったから。

(どうして?
だって、これって、そーくんたちへ書くためのものじゃないの……?)

そう思った私は思わず訊き返す。

「……私に、ですか?」

誰かと間違っていないだろうか、という私の考えは、坂田さんの軽い肯定で、いとも簡単に間違っていることに気づかされる。

「そーだよ?」

「……十にぃやそーくんにじゃなくて……ですか?」

その問いに、「あー」と気のなさそうな返事をして、坂田さんは言った。

「その2人には、もう渡した」

「え」

「多串くんは何かいつもと違って穏やかな顔で礼言ってくるしさ」

「坂田さん、土方です」

「総一郎くんなんかさ、目ェまん丸に見開いて速攻で帰ってったよ?」

「坂田さん、総悟です」


とりあえず一通りのツッコミを終えてから、私は封筒を裏返す。

案の定、優しい文字で「沖田ミツバ」と書いてあった。
もう一度表に返してみると、「Aちゃんへ」と書いてあり、謎に安堵した。


「……ミツバ姉からの、依頼ですか?」

「そーだよ」

「……」


何も言わない私に坂田さんは手を伸ばし、目元にそっと触れる。

「目、腫れてるな」

「……ぁ」

そういえば。
私自身もそっと目元に触れ、ミツバ姉が死んでからずっと泣きっぱなしだったことを思い出す。

「……」

すると、坂田さんは私の頭を乱雑に撫で、優しい声で言った。

「じゃあな」

「あっ」


去っていく坂田さんに、私は慌てて声を張り上げる。

「あ、あの!ありがとうございました!」


坂田さんは何も言わずに、手を軽く振りながら去って行った。









[作者より]
短めですみません!
(しかも文章がまとまってない件)

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
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あや(プロフ) - 赤羽@美羽さん» 受験お疲れ様でした! (2019年3月1日 0時) (レス) id: a0e0346a06 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!受験が終わりましたので、どんどん更新していきたいと思います! (2019年2月28日 19時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 赤羽@美羽さん» お忙しい中更新ありがとうございます!受験頑張ってください!これからも楽しく読ませていただきます。 (2019年2月11日 19時) (レス) id: a0e0346a06 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽@美羽(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!もうすぐで受験が終わるので、そうしたらもっとテンポよく更新できるようになると思います!これからも読んでいただけると嬉しいです! (2019年2月11日 16時) (レス) id: 8b3b438a89 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 初めまして。沖田さんが好きで読ませていただいています。更新ありがとうございます。ミツバ篇好きな話なので、これから主人公ちゃんもどうなるか楽しみです! (2019年2月10日 12時) (レス) id: a0e0346a06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤羽@美羽 | 作成日時:2018年11月18日 2時

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