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「碧棺様、ご馳走様でした、ありがとうございます。」
2時間ほど滞在した後4人は店を後にした。先に店を出た一郎たちとまた険悪な雰囲気を(主に左馬刻が)作り出してしまったがなんとか穏便に済ませることができた。
左馬刻の車が待っていたが酔いを醒ましたいので歩きたいと言ったところ何故か左馬刻が理鶯と銃兎を車に押し込み私の方へ付いてきてしまった次第だ。
「あの、碧棺様。本当に一人で大丈夫ですよ。家も近いですから。」
左馬刻「あ?俺様が送るって言ってんだぞ、有り難く送られろクソ女。」
「クソ女を送ってくれるだなんてそれはご親切にどうも…。」
なんなんだ一体。暴言を吐きつつ気遣うという器用なことをする左馬刻はツンとしながら3歩前を歩いていた。
左馬刻「おい。」
「はい。」
急に足を止め彼が振り向いた。
左馬刻「お前、この先も俺の命令に従ってなんでもやんのか。」
少し肌寒い風が吹いた。
「何言ってるんですか、契約したでしょう。」
左馬刻「……組を1つ潰せと言ったらそれにも従うのか。」
「えぇ、もちろん。それが貴方の為になり、私の正義を裏切らないなら。」
左馬刻「……………お前の正義とはなんだ。」
少し左馬刻の目が鋭くなったのがわかる。
「そうですねえ…一言で言えば能力が等しく認められることが私の正義です。」
きっと彼の正義と私の正義は全く違うものだろう。
私の言葉を聞いても彼は動じなかった。
左馬刻「…あの壁をぶっ壊すのに付き合えと言ったらてめえはついてくるか?」
左馬刻の真っ赤な目は真っ直ぐにそびえ立つ壁を射抜くように捉えていた。
「…壁を壊す?…………それは面白そうですね。」
彼の思い描いていることは私には計り知れない。
ヤクザで危ない男だと分かっているが、彼の真っ直ぐな目を見ると心底悪い人とは思えなかった。
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千(プロフ) - オーキッドさんなりのこだわりが感じられ中々定まらないのはそれだけオーキッドさんの小説への思いからだと思います。生意気な事書いてすみません。でもそれだけ大切なんだと私は思いました。感想だけで申し訳ありません (2019年5月20日 21時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - こちらこそ温かいコメントありがとうございます。無理せず更新頑張って下さい。楽しみにしてます。又こちらこそよろしくお願いします。夜遅くに失礼致しました (2019年5月19日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます、お優しい言葉かけに感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月7日 15時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - この後凄く気になります。楽しみしています。無理しないでくださいね。更新楽しみに待ってます。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: aa8fcb4cab (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 夜桜 奏さん» コメントありがとうございます。素敵なお話だなんて嬉しいお言葉、感謝いたします。これからもよろしくお願いいたします。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: 500cf8b735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オーキッド | 作成日時:2018年12月2日 23時