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少しだけ間があいた。
とても静かな中で再び三日月宗近が話し出した。
三日月「なあ、やはり主になってくれないか、完全なる契約を、お前となら結びたい。」
「あなたは良くても他の方は思っていないと思いますのでこの本丸の主になるわけにはいきません。」
三日月「本気でそう思うか?…今日のことも皆に知れた。夕餉の時にもその話が出てな。
………反対する者はいなかった。お前が主になることを。」
「それでも私は、…………私は、出来ないです。今日のことでよくわかりました。
あなた方の命を背負って生きていくには私は小さすぎます。そんなに主が欲しいのなら政府のほうに
三日月「いらん。」
ぞっとするほど冷たい声だった。
三日月「お主以外、主とは認めん。」
「………何でですか。」
三日月「明確な理由などない。ただ、お前がいい。」
「そう言われても……。」
三日月「…俺たちは刀だ。傷つけ、傷つけられるのが仕事のようなもの。Aが気にすることは何もない。」
「そうは言っても…!私の判断ミスで怪我人が出ます…!私はいつも決断を間違えて来ました。
そんな人に仕えたいと、思うのですか?!」
思わず声を荒げてしまった。
三日月「間違えるから人は愚かで美しいのだ。それを悔い改める姿をしない前の主どもは例外だがな。
お前は違うだろう…?いつも自分を責めているAは。」
ザァァっと風が鳴った。
小狐丸「何からそこまで逃げる?何が怖いのじゃ。」
「私は………、今も責任から逃れようとしている汚い人間です。
もう本当は、主になりかけてるのにそれから逃げようとしている、狡い人間です…。
皆さんを失うのが、傷つけるのが恐ろしいのです、私は、私はここの、皆さんが……!」
好きだから。
いつからかだろうか。
ここが本当に居心地が良かった。誰も自分を避けない。誰も私という個人を嫌う者がいないことが本当はとても嬉しかった。
確かに仲良くなったわけではない。
が、今まで1人だった私にはそれで充分だった。
小狐丸「…我らはそう簡単には折れぬ。それに傷つけられても、」
小狐丸が耳元に顔を寄せた。
小狐丸「あなたが、…ぬしさまが癒してくれるのでしょう?」
あぁ。
もう逃げられない。逃げたくない。
彼らと一緒にいたいという思いはどうしても偽れなかった。
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真梨歌 - すみません、誤字報告?です!蛍丸の一人称が僕になっていました!蛍丸は"俺"なので訂正よろしくお願いします。とても面白いので、更新頑張ってください! (2019年2月26日 20時) (レス) id: 86c3faaeec (このIDを非表示/違反報告)
菜希@水松(プロフ) - オーキッドさん» よかったです!!! ありがとうございます!!! 勿論、作品名と作者名は載せます!!! (2015年12月23日 12時) (レス) id: 60c9464f5e (このIDを非表示/違反報告)
オーキッド(プロフ) - 菜希@水松さん» おお!!!いいんですか!よろしくお願いします!作品名と作者名掲載していただければ嬉しいです〜〜 (2015年12月23日 9時) (レス) id: ac6634c0b5 (このIDを非表示/違反報告)
菜希@水松(プロフ) - (続き)もし嫌なら、無理は言いません。 よかったら、検討してみてください。 是非、よろしくお願いします! (2015年12月22日 22時) (レス) id: 60c9464f5e (このIDを非表示/違反報告)
菜希@水松(プロフ) - 初めてまして、菜希です。 凄く面白いです!!私は刀剣乱舞はあまり知らないのですが、分かりやすく、そして読みやすいです!! 今度、『おすすめしたい小説』というのを作りたいと思っています。 そこで、もし宜しければ、この作品を掲載しても宜しいでしょうか……? (2015年12月22日 22時) (レス) id: 60c9464f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オーキッド | 作成日時:2015年10月14日 16時