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結局ロケマサはあたしを逃がしてくれて
写真も無事収まったままになった。
風呂入ると酒回るから今日はやめといた方がいいっすよーとか言いながら、誰か泊まりに来た時用なのか布団を敷いてくれている。
あたしは全然ソファーでいいのに、不自然に女扱いしてくるのよ。
「俺編集終わったら寝るんで、眠くなったらいつでも寝てください」
ニコニコ笑ってパソコンの前に戻っていく。
と同時に向こうの携帯からお馴染みの着信音が響いた。
もう2時前だし流石に今から誰か来るってことはないと思うんだけど。
もし女の子とかだったら申し訳ない。
明かりが入らないようにと布団を敷いてくれた場所とリビングを仕切る扉を閉めてくれたにも関わらず、あたしは扉に耳をぴったりくっつけて、全神経を向こうに集中させた。
女の子ならどんな女の子なのかとか気になるし。
姉のちょっとした好奇心ということで。
運良くスピーカーにしてる様で、相手の声がとても聞こえやすいんだけど、聞いてると女の声っぽくはなくてどっちかというと…
「お疲れ様です。何かありましたか?」
『…Aそっちおるんか』
低く掠れている、よく知る声。
「居ますよ。もう寝たっす」
ものすごく起きてるよ。
少し背徳感に襲われる。
『……何もしてへんやろな』
「何もしてないっすよ笑 あ、でも壁ドンはしちゃいました」
『壁ドン?…寒いなお前』
「しようと思ってしたんじゃないすよ、なりゆきっす」
キーボードをカタカタ叩きながら交わされる会話は今までの2人で聞いた事ないぐらいの温度感だった。
彼がロケマサに怒るのは見たことあっても
彼とロケマサが対等に冷めきった声色で話しているのはあたしが知る限り1度もない。
ロケマサってあんな低い声出せたんだ。
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яeu(プロフ) - セティさん» ありがとうございます。ものすごくモチベーションになりますm(_ _)m 頑張りますね! (2021年3月29日 21時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - はじめまして。続き楽しみにしていますので、無理なく更新していただけたら嬉しいです。 (2021年3月29日 15時) (レス) id: 1fbb8090be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:яeu | 作成日時:2021年3月9日 21時