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23. ページ23

真剣な顔はあっという間に緩んで、キョロキョロとあたしと携帯を交互に見る。



「え、撮った?」


「撮ってないよ」


「いやどう考えても撮った音したっすよ笑」



消してください、と携帯を奪われかける。
間一髪で死守して、握りしめた。



そうするとロケマサは作業を中断して
完全に体をこっちに向けてきた。
戦闘態勢だ。



ちょっと体を離すとまた詰めてくる。
その繰り返しで、ついには壁にまで来てしまった。



「もう無理っすよ、消してください笑」


「せめてTwitterかインスタにこの姿を投稿してから…」


「だめ」



可愛くだめと言われてしまったがそう簡単にめげるあたしではないわ。
立ち上がって腕を後ろに回す。



そのまま横へそろりそろりとズレていく。



ロケマサが動かないことを確認してから、更に横へ走りこもうとした。
けどあたしの体は、伸びてきた腕によって食い止められてしまった。



「あらぁー…」



壁まで腕が伸びている。
反対側へ逃げようとしてもそれももう一方の腕に阻まれて、出られない。



「逃げれないっすよー?笑」



しゃがんだり立ったりしてみたが、その都度動きを合わせてくるので一向に効果はない。
何ならロケマサの方が俊敏。



歳や体力の問題ではなく酒のせいだと思いたかった。



「観念して消してください、ね?」


「嫌だ」


「じゃないとずっとこうっすよ?」


「別にいいもん」



ほんとは良くないけど。
いわゆる壁ドン状態で距離もまあまあ近いし。
じーっとお互いがお互いを見つめたまま、どちらも動かない。



ていうか何か、思ったより酔ってるみたい。
近いのは分かるけど、上手く距離感が掴めないよ。



「…ヒカルさんが見たらなんて言うかな」



ぼそっと呟かれた言葉を
あたしの耳は拾わなかった。

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яeu(プロフ) - セティさん» ありがとうございます。ものすごくモチベーションになりますm(_ _)m 頑張りますね! (2021年3月29日 21時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - はじめまして。続き楽しみにしていますので、無理なく更新していただけたら嬉しいです。 (2021年3月29日 15時) (レス) id: 1fbb8090be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:яeu | 作成日時:2021年3月9日 21時

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