【ONEPIECE】51回目の人生はトリップ！？

十五話 ページ16

「ッは！」

荒い息を整えながら状況を整理する。

夢、だ。
久しぶりに見た十回目の転生の夢。
身体を改造されて娯楽人形にされたあの時、身体を改造された事にはもう吹っ切れたが、痛いのはどうも慣れなかった。
あまり思い出したくない代物である。


＿娯楽人形＿
人間にはできないような様々なことを実験によって人間に出来るように改造し戦争の兵器、下僕などとして人間を売り飛ばす。それを人は娯楽人形と呼んだ。
俺は戦争の前線で戦わされた。

当時こそ憎みはしたが、お陰で俺は『かえる力』を手に入れた。今は寧ろ感謝すら感じる

握りしめた拳を胸に当て、深く、深く深呼吸した。自分の心を落ち着かせるように。

もうこの力を人を傷つける為には使うまいと、自分の心に、俺が殺.してしまった人達に誓ったから。その決意が揺らがぬように、まだ日が上らぬ空を見上げた。





結局、あの後は眠れなかった。仕方がないので昨日と同じように島を散策がてら、少し聞き込みをすることにした。

とは言うものの...

「まあ、まだ夜なのに誰かが出歩いてる訳ないよな...」

ハハハ、と乾いた笑いが口から零れた。
ジッとしているのもアレなのでとりあえず、島唯一の山を目指す山の頂上から見れば桜の木も見つかるかもしれない、山頂に着くころには日も出ているだろうし、丁度いい。
暗い町中にコツコツとAの靴音だけが響く。
他にはどんな音も聞こえない。まるで、誰もいないようで少し気味が悪かった。
ふと山を見やると

「なんだ...？あれ」

山頂が小さく淡い光を放っている。俺の目でも気づきにくい桃色の光。

「まさか、あれは...？！」

町を全速力で駆け出した。

先程の酒場でのダンガとの会話を思い出す。

＿＿＿

「いやー、それにしてもおっちゃん、大変だろ！パトロールとか、夜はめんどくさくないか？この島はあんま街灯が無いし」

「そうでもないぞ？この島の隅々まで見て回って困ってる人を助けて、お礼されるとそんなんどうでもよくなるんだよ！あと経験豊富だからかな！まあでも、確かに夜はきついなー、ランタン持ってねぇとロクに前も見えねぇ。」

「街灯、設置しないのか？」

「町の雰囲気？だか、景観だかが損なわれるってよ。この島は登山も釣りもできるが、町の昔ながらの建物を見る目的で来る人も居るからな。そういう意味で無理なんだと」

「ほへぇ、でもパトロールしにくいのは確かだろ？」

「ああ、だが、仕方ねぇんだよ＿＿＿＿」

＿＿＿

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