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「わ、すごい反響。UNDEADの評判も元通りだし」
つい、と携帯に指を滑らせながら薫が呟く。
恐らく見ているのは先日行ったライブのことだろう。俺の性格でかなり炎上……というか、話題になっていたしなァ。
横から薫の携帯をのぞき込むと、「まさに変幻自在! 爽やか王子は腹黒王子?」というキャッチコピーが踊っている。
『はは、すげェなこりゃ』
「笑い事じゃないからね? ほら、色々言われてるじゃん」
画面をスクロールして薫が画面を見せてくる。
……今思ったが、本人にそういう所を見せるあたり、薫もだいぶいい性格してるよなァ。
確かに画面には、「信じてたのに」「裏切られた」といったような内容のコメントがズラズラと並べられているが、それは鼻で笑って一蹴する。
『はっ、俺は誰にも「信じてくれ」なんて言った覚えはねェからなァ。
別にヘラヘラしてる俺を見てあいつらが勝手に勘違いしてだけだろ』
「かっこいいね〜」
『別に。俺はこれでもついてきてくれる奴らにだけパフォーマンスを続ける』
まァ、斑には悪いことをしたと思ってるがなァ。
「……よし、じゃあ次は移動教室だったし、一緒に行こ?」
スッと立ち上がったかと思うと、薫が手を差し出してくる。
その手を取り、思いっきり体重を入れてやると、薫が驚いたようにこちらを見る。
さっき俺に批判のコメントを見せやがった仕返しだ。
そのまままだざわめきの残る教室の扉を開けると、少し遅れて薫もついてくる。
開け放たれた窓からは、春の匂いがふわりと漂ってきた。
新しい時代が、始まっていく。
−fin−
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果凛(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» うん、お願いしまーす! (2017年10月24日 15時) (レス) id: 7fadf07f5e (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» 閲覧パスもボードで送った方がいいよね?(多分)このコメ見たら教えて送るから! (2017年10月24日 11時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
果凛(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» ちゃんと送れてたよー! ありがとう! (2017年10月24日 7時) (レス) id: 7fadf07f5e (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» ボードで一応送ったけどちゃんと送れてるかわからないからもう一回言っとくね?パスワード付の作品作ったからそっちで話せないかな? (2017年10月24日 0時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» あっじゃあ私もだわ…← (2017年10月24日 0時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:果凛 | 作成日時:2017年9月16日 0時