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「ふわぁ…。なんじゃ、わんこか……」
「おい、起きろ!! 寝んじゃねえ!!」
『…ほんとにこれでエキスパート?』
言い合う(というよりは一方的にまくしたてる)晃牙と零を見つめる。
「ううん、一番起こす回数が多いだけ〜」
「羽風先輩に椎名先輩。公園に人が集まり始めている。このままだとばれるかもしれない」
周りを見ると、確かに人が増えてきている。女性が多いし、多分ばれてるんだろうなァ。
『逃げるか。……おいこら零。アレ、ばらされたくねェんだったら起きろ』
近づいていき、耳元で囁いてやる。
よし、起きたな。こういう時に便利だから、人の弱みを握んのはやめられねェんだよ。
「…あのッ、しーにゃ君…ですよね!?」
顔を真っ赤にした女が話しかけてくる。うーん……56点。
もちろん顔面の点数だけど?
前にファンがいないところで薫に言ったらため息をつかれた。
アイツ、女だったらなんでもいいとか思ってんじゃねェのか?
少し薫の将来が不安になる。
「あ、あの…?」
あァ、いたんだっけなァ。忘れてた。
『…うん、確かに僕は椎名A。
でも、見なかった事にしてほしいな? 一応、プライベートだから』
これ以上騒ぐな、という意味も込めて注意する。
一応ファンの子、ということらしいので握手だけして帰しておく。…ったく、プライベートまで営業スマイルとかやってらんねェな。
去っていく姿を見つつ、ため息をつく。
「売れっ子アイドルも大変だね〜?」
『うるせェな。俺は気づかれもしなかった薫とは人気が違うからなァ』
ニヤニヤと皮肉を込めて見上げる。
『まァ、アイドルつっても…やっぱ、これはいいか。
なんでもねェよ、気にすんな』
言いかけた言葉を途中で飲み込む。確定事項じゃねェんだし、別に今言わなくてもいいだろ。
薫は変なA、とむくれているが。
そのあとはそのまま解散して家へ帰る。
…そういや、今日は買い物に出かけたはずなのに全然買えてねェんだが。
まァそれは薫のせいってことで。
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果凛(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» うん、お願いしまーす! (2017年10月24日 15時) (レス) id: 7fadf07f5e (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» 閲覧パスもボードで送った方がいいよね?(多分)このコメ見たら教えて送るから! (2017年10月24日 11時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
果凛(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» ちゃんと送れてたよー! ありがとう! (2017年10月24日 7時) (レス) id: 7fadf07f5e (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» ボードで一応送ったけどちゃんと送れてるかわからないからもう一回言っとくね?パスワード付の作品作ったからそっちで話せないかな? (2017年10月24日 0時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 果凛さん» あっじゃあ私もだわ…← (2017年10月24日 0時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:果凛 | 作成日時:2017年9月16日 0時