【一期一振】「貴女の心に触れることができるならば」

「内心ガッツポーズをしております。」（一期side） ページ10

『本日江戸に出陣する部隊を発表します…。』

大広間に主殿の透き通った声が響く。

『部隊長…清光…。』
清光「オッケーイ！誉取って帰ってくるよ！」
『次に…山姥切国広…太郎太刀…今剣…にっかり…最後に…一期…。以上です…』
青江「うーん…『にっかり』ねえ…。略されちゃったね。」
山姥切「俺は写しだから、愛称をつけて貰えないんだ…」
太郎「それを言ったら私と今剣はどうなんです。」
長谷部「お前達、新しい主になってから初めての出陣だ。良い加減にしないと許さんぞ。」
清光「いや、別に俺、長谷部に褒められたくて出陣するんじゃないし。」
今剣「ぼくもです。ぼくはあるじにほめてもらいたいです。」
『…私に？』

主殿はきょとんとした。(可愛いですな)

青江「前の主は、誉を取ってきたら頭を撫でて褒めてくれたんだ。」
『…そうなんですか？では…私も。…誉を取って帰ってきたら…頭を撫でて…褒めて差し上げます…』

…主殿に、頭を撫でて褒めてもらえる…？

清光「主っ！！俺、絶対誉取って来るから！！そしたら超褒めて！超撫でて！」
今剣「清光ずるいですよ！あるじさま！ぼくもほまれたくさんとってきます！！」
乱「良いなぁ！主っ！次の出陣にはボクを出してよ！」
博多「あーっ！ずるかばい！」
小夜「…ぼくも…褒められたい…」
宗三「主、小夜を今すぐ褒めてください今すぐです。」
『あの…その…』

主殿が困っておられる！
いつもストッパーになってくださる長谷部殿は…あ、ダメですな。
主殿に褒めてもらいたくて仕方がない顔をしてますな。
よし、ここは私が止めましょう。

パンパン！！

私は手を叩いた。

一期「皆様、主殿がたじろいでおられる故、少しお気をつけくだされ。」
全員「「「あ…」」」

清光「ご、ごめん主。」
全員「「「すみません…」」」
『…構いませんよ…(天使の微笑)』

ん''ん''っ、天使ですかな？

長谷部「ではこうしよう。その日の出陣で1番多くの誉を取って来た奴が、主に頭を撫でられ褒めてもらえる、と。」
全員「「「異議なし！」」」
『…(これ、拒否権ない…でしょうね。)…良いですよ…。そこまで…撫でて欲しいのなら…』
長谷部「ありがとうございます主。それでは、次の出陣には是非ともこの長谷部を…」
全員「「「抜け駆け禁止ー！」」」
『それでは…部隊員の皆様…行ってらっしゃい…。怪我を…なさらぬよう…』
清光「大丈夫！行って来ます！」

私達は江戸へ向かった。

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