『どうして「私」を見てくれないの?』 ページ9
私は、朝が嫌いだ。
何故か。また1日が始まるんだと思い知らされるから。
実家にいた頃は、本当に嫌だった。
学校には友達もいない。近寄ってくる人は沢山いたけど、全員私の家が億万長者だからって理由。
家にだって、姉様を抜かして、私の本当の理解者なんていなかった。
お父様もお母様も、本当の「私」を見てくれなかった。
お父様達が見ている「私」は、「橘家の次女」の「私」だった。
───A様は本当にお美しいですね。
───A様と雪枝様がいれば、橘家は安泰ですね。
───あいつが、橘家の次女の橘 Aか。
やめて。どうして皆「私」を見てくれないの?
「橘家の次女」としての私じゃない、「私」をどうして見てくれないの?
父『…A…。』
お父様!お父様は、「私」を見てくれてるんだよね?
「私」を、大切な娘と思ってくれてるんだよね?
父『さすがだなA…。やっぱり、橘家の次女に相応しいな。』
…え?
父『橘家にAがいてよかった。なあ、母さん。』
母『ええ。』
…やめて。
父『これからも、期待しているぞ。』
母『期待を裏切らないのよ?A』
そんな期待…しないで…。
私はっ…私は…っ!
2人『『橘家の次女として。』』
一期「主殿!!」
『!!』
目を開けると、見覚えのない天井。
…ああ、そうだった。私、審神者になったんだった。
…嫌な、夢…。
一期「大丈夫ですか?顔色が優れませんが」
『…大丈夫…。』
一期「…そうですか。…おはようございます、主殿。」
私は軽く笑い、頷いた。
…上手く笑えていたかな。
*****
全員「「『いただきます。』」」
燭台切「今朝はごく普通にご飯と味噌汁だよ!」
…あ、美味しい…。
燭台切「どうかな?」
『…とても、美味しいですよ…。』
燭台切「良かった!あ、お代わりあるから!」
彼は…とてもいい笑顔をするんだな。
でも…きっと彼も、皆も、「審神者」としての「私」しか見ていない。
…ごめんなさい、信じてあげられなくて。
でも、信じることに抵抗があるから…。
一期「主殿?」
『っ、ゲホッ、(顔近っ!)…どうしました?一期…』
一期「いえ、先程から顔色が優れませんので、何かお悩みかと。」
『何も…ありませんよ。ただ…今朝見た夢が良いもので無かったので…』
清光「なんだって!?」
『!?』
清光「石切丸、祈祷!」
石切丸「え、今すぐ…?」
清光「主の一大事だよ!?」
『…ふふっ…』
…何故…そんなに…私に優しくするのですか?
「内心ガッツポーズをしております。」(一期side)→←初めて
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リンリン(プロフ) - 銀河さん» 遅くなりましたが、感想ありがとございます!これからも頑張って更新していきます! (3月23日 12時) (レス) id: f528c3e1a1 (このIDを非表示/違反報告)
銀河(プロフ) - 受験勉強お疲れ様です!続きがとても楽しみです! (2018年1月21日 16時) (レス) id: 1c52cf51ca (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 凪花さん、感想ありがとうございます!楽しんでもらえて恐縮です…。更新は不定期ですけど、お付き合いください。 (2017年5月10日 19時) (レス) id: 280584da08 (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 初めて読む刀剣乱舞小説がこんなに素晴らしいなんて…ますます沼にはまってしまいました。続き楽しみにしてます! (2017年5月8日 6時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンリン | 作成日時:2017年4月3日 18時