【一期一振】「貴女の心に触れることができるならば」

目的の為なら、問答無用で「お覚悟。」 ページ11

第一部隊が江戸に出陣してから5、6時間が経った頃。
離の自室で夢中になって書類をまとめていた私は、襖の外から呼ばれる声に我に返った。

長谷部「主。」
『…へし切…。…どうしました…？』
長谷部「第一部隊が帰還しました。」
『！！…わ、分かりました…。今すぐ向かいます…。』

ドタドタドタドタッ！

長谷部「かしこまり…って、ちょ、おま、かしゅ、おい！」
清光「主いぃぃぃぃっ！！」

スッパーン！！

…向かう前に…清光がやって来た…。
………ん！？

清光「グスッ、あるっ、じぃっ、ズッ、グスッ、うぅぅぅ…」
『き、清光……何故泣いて…どこか怪我をしたんですか…？どなたか、重傷でも…！？』
清光「グスッ、ぜん、いん、無傷っ、だよぉぉぉおおお！！うわあぁぁぁん！」

清光はとうとう私に抱きついて泣きじゃくり始めた。
全員無傷なのに、なんで清光はこんなに泣いているの…？

清光「ズビッ、グスッ、ううう…」
『清光…何があったか、教えてくれますね…？』
清光「グスン…。…うん…。」
『それでは、本丸に行きましょう…。』

＊＊＊＊＊

大和守「清光っ！？どうして泣いてるの！？」
和泉守「誰にやられた！？」
堀川「怪我してるの！？」
清光「グスッ、だいじょぶ、だから。」
『…それでは…清光。なんで泣いているのか…教えてください…。』
清光「ん、…何回か、敵に遭遇したんだけど…」

────

清光『おおっし！誉を取って主に褒めてもらうぞーっ！！』
今剣『ほまれをとるのはぼくです！！』
清光『フェイントに見せかけて攻撃！！』
今剣『そおーれ！』

清光『よし、順調順調…ん？後ろから…殺気…が…？』

一期『お覚悟おぉぉぉぉおおおっ！！』

ズァッシュッ！！

一期以外『…へ？』

一期『斬る！！』
一期『お覚悟！！』
一期『吉光の名は、伊達じゃないっ！！！』

バシュッ！
バキッ！
シュンッ！！

────

清光「…てな感じで…
一期が誉全部取っちゃったのーーーっ！！」
一期「いやあ、申し訳ない。」
全員「「「思ってないだろっ！？」」」
《一期の後ろ…めちゃめちゃ…桜舞ってる…。》
清光「俺が褒めてもらいたかったのに！」
『…それで…泣いていたのですか…。でも…決まりは決まりです…。』

私は一期に近寄り、頭を撫でた。

なでなで…

『よく…頑張ってくれました…。偉いですよ…(にこっ)』
一期「っ！！」
全員(((女神がいるな！？)))

この後、一期が卒倒して、手入れ部屋に運ばれました。

鍛刀しましょう 1→←「内心ガッツポーズをしております。」（一期side）

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