エビはもう居たようで【男主】《ツイステ》

5品目 ページ6

『〜♪』

気分が乗ってきたので歌でもひとつ詠じたくなった((

泳いでいるとやな事は何もかも忘れられる。
故郷ですごした日々だって。
逃げてきた過去だって。

俺を置いていった大切な人のことだって。

この綺麗な海に劣情を流していける。
だから、海は大好きだ。

泳ぎ終わり、意識を周りに戻す……っ！！！！

周りには、多くの生徒が集まっていた

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no-side

どこからか歌が聞こえる。

懐かしく、それでいて優しい歌。

その歌が気になり、生徒たちが次々に海へ飛び出した。

そこで目にしたのは
片手だけの大きな美しい鋏を使いながら踊るように泳ぐ、大きな人魚の姿だった。

目は白目は黒く、黒目は海の色。
足の1本1本がサンゴ礁のようにキラキラと光っていた。
いつも縛られている赤毛は解けて水になびき、妖艶さを漂わせている。

皆、動けなかった。否、彼に…見とれていた。


歌が終わると彼の視線が周りに戻り、他の人魚達も、
ハッとしたように、彼を見た。



それがいけなかったのかもしれない。


彼は目を見開き、顔を青ざめ、
先程まで、自分の歌を聞いていた生徒を



切り裂いた。

そして、

『ぁあああああああああああああああああああああああああああああ"！！！！』

叫び始め、目の焦点が合わなくなり…





地獄が始まった。

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