狂犬 ページ8
【和泉守side】
「...？」
Aが何を呟いたのか、はっきりとは聞こえなかった。
そして抜刀した薬研に、その刀を向けられている男数人、薬研に庇われるように蹲る銀髪の少年と少女というこの状況にも頭が追いついていない。
「チッ...帯刀した奴が三人...」
「やるか？」
「おっと残念だな、七人だぜ！」
「鶴丸...！」
「兼さん！」
聞き慣れたその言葉に俺が振り返ると、鶴丸、そして他の三人が姿を現した。
増えた人数に男達はあからさまに顔を顰め舌打ちすると、自分達には不利だと感じたのかそのまま走り去って行った。
「なんじゃあいつら」
「いや、俺もよく分かんねえんだが...」
「A、これどういう状況？」
陸奥守に問われても俺が答えられずにいると、国広が状況を知っているであろうAに声を掛ける。が、
「...」
「...A？」
さっきの俺への反応と同じようにこいつは反応を示さなかった。...聞こえないのか？
「おい、A＿」
「っ、!?」
見兼ねてぽん、と肩を叩くと、大袈裟なくらい肩を動かしたAが漸くこちらを見る。その瞳は今やっと俺達を視認したというように見開かれていた。
「ぁ、れ...なんで皆...」
「俺は大分前からここ居たぜ。お前全然気づかねえんだもんな」
「あ...ごめん...」
「...？」
何処か虚ろに路地裏に再び視線を戻すAに首を傾げた。屋根の上から降りてきたらしいこんのすけが、するりとAの足に擦り寄って行くのに妙に心臓がざわつく。
するとその先で刀を鞘に納めた薬研が、未だ蹲る少年少女に声を掛けた。
「おい、大丈＿」
「触るな!!」
「「!?」」
しかし薬研が差し伸べた手を、振り払いはしないも鋭い声で少年が牽制した。
少女を背に隠し庇うように薬研を睨みつける。そして低く唸りながら口を開いた。
「お前らも俺達のことを狙ってる奴らか...？ほんっと物好きだなお前ら...！」
狂犬のようにこちらにも睨みをきかせそう言う少年に薬研は目を丸くする。勿論俺達もだ。
「何やら彼らは自分達を勘違いしているようだな...」
「あー...」
蜻蛉切の言葉に薬研はがしがしと頭を掻くと、少年を刺激しないよう努めながら再び声を掛けた。
「お前さん何か勘違いしてるぜ。俺達は別にお前達
をどうかしようとは思ってない」
なあ？という問いかけに頷く。
するとこちらにちらりと目を向けた少年が、とある人物を指さして目を見開いた。
「白い髪...!?」
.
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狩歌(プロフ) - 作者さん» 私も作者さんのコメントで大泣きしました。ありがとうございます...！！ (2020年2月14日 8時) (
レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 大泣きした…もうやばい…語彙力低下した… (2020年2月14日 1時) (レス) id: 514b4bbba8 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - かふぇいんさん» 告白されちった(違う)。そんなこと言っていただけて感無量です。ありがとうございます！リクエスト了解しました！もうしばしお待ちください！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 連続でコメントすみません…！夢主ちゃんの質問コーナーみたいな茶番が見たいです。ぜひお願いします！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - すき。すきです。すきしかでてこないです。これからも心から応援してますッ…！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2018年12月28日 13時
