夕焼け小焼けで日が暮れて ページ15
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「正直さ、飯ご馳走したくらいじゃ俺達にとって全然礼になってないんだよ」
茜色を僅かに差した灰紫の瞳に見つめられて、兼さんが肩を揺らしたのが分かった。
冬夜さんのこの痛いほど真っ直ぐな眼差しは、一体誰と似ているのだろうか。
「...今までもこの髪色のせいで色んな奴らに目をつけられたけどさ、いつも何とか逃げ切ってて、あそこまで追い詰められたのは初めてだったんだ」
「...！」
「情けねえけどすごい怖かった。あんた達が来てくれなきゃ、俺と真白は離れ離れになってたんだ」
拳をぎゅっと握り締めそう言った冬夜さんの表情は、姉弟である真白さんを失ったかもしれないと恐怖を滲ませていた。
...でも、僕はそれだけじゃない気がする。
何かを後悔しているような、そんな＿
「だからさ、あんた達が困ってることは、俺達に助けさせてくれよ」
にっと笑った彼の表情に皆で顔を見合わせる。それにがしがしと頭を掻いた兼さんが、二人に向き合って頭を下げた。
「...じゃ、泊めてもらってもいいか？」
「もちろん！」
満足げに二人は頷くと、もう自分達も上がりだから早速行こうと一旦荷物取りに中に戻って行く。
すると、その後ろ姿を見送りながら今まで再び黙りこくっていたAが口を開いた。
「いいの、和泉守。あんまりこの時代の人に干渉しないほうがいいんじゃないの」
「そうなんだけどな...秋に野宿はちょいとキツいし...まあ長居しなければ大丈夫だろ」
「...そう」
何処か不満そうにAが引き下がると同時に、お待たせしましたと笠を被った二人がやってくる。
ああ、あの笠は髪を隠すためのものだったんだ。
「それじゃ行きましょうか」
「本当にいいのか？」
「大丈夫ですよ」
まだ少し遠慮気味に訪ねた兼さんに真白さんは頷くと、僕らを先導しながら続けた。
「私と冬夜が住んでる家は、私達が働いている飯所の大将が貸してくれている場所なんですけど、如何せん二人暮しには広いので」
「...そうか」
真白さんの説明をそうなのか...と聞きながら、ふと、僕は違和感に駆られた。
...二人？
あれ、冬夜さんと真白さんって、両親と兄姉含めたら六人家族じゃ...？
そう言えば彼らの家業は鍛冶屋だったはずだ。真白さんはともかく、冬夜さんは家業を引き継いでないのか？
...二人だけ家を出ているのだろうか。
なんだろうか、この違和感は。
Aに似たあの雪髪の少女は、今何をしているのだろうか。
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狩歌(プロフ) - 作者さん» 私も作者さんのコメントで大泣きしました。ありがとうございます...！！ (2020年2月14日 8時) (
レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 大泣きした…もうやばい…語彙力低下した… (2020年2月14日 1時) (レス) id: 514b4bbba8 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - かふぇいんさん» 告白されちった(違う)。そんなこと言っていただけて感無量です。ありがとうございます！リクエスト了解しました！もうしばしお待ちください！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 連続でコメントすみません…！夢主ちゃんの質問コーナーみたいな茶番が見たいです。ぜひお願いします！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - すき。すきです。すきしかでてこないです。これからも心から応援してますッ…！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2018年12月28日 13時
