【NARUTO】あなたにもう一度会うために３

１６話 ページ27

二人がどんな人だったか。
目を閉じればすぐに思い出せる。
本当に、似ていないな…


お父さんはすこし天然で、優しく暖かい優秀な、光を模したような忍だった。
里のため、人のため、自己犠牲で戦った。

お母さんは怒るとすごく怖いけど、美味しい料理を作ってくれた。私が怖い夢をみたときは優しく頭を撫でて眠れるまで側で寄り添ってくれた。

二人の良いところの何一つも受け継げない私。
理解している。

ただ１つ変われることと言えば、術だ。

手に取った巻物を開く。

…数年前からずっと探し続け、ようやく見つけた１つの巻物。
うずまきの封印術が記された巻物だ。

父の時空間忍術はほぼ完璧にマスターしたと言って良いだろう。
このまま続ければ、うずまきのチャクラ量のおかげで父よりも長距離移動ができるかもしれない。

加えて封印術まで覚えれば、私は二人の技を使えるんだ。

それに、何となく覚えた掌仙術…使い道は限られる。
…ま、便利だからいいけど。


ただ…
まだ私には使えない技がある。

それは螺旋丸。父が作り、師匠も使用していた高等忍術。

あれだけは練習の仕方も仕組みも分からない。

一度師匠が使ったところを見た経験はあるが、掌に高濃度に圧縮したチャクラを乱回転させ掌に留めているようだった。

一応挑戦はしてみた。
…が何も起こらなかった。

どうすれば会得できるのだろう。
最近の術に関しての悩みはその辺りだ。


一通り自らが散らかしてしまった巻物を片付ければ、自然と心は落ち着いていた。

「よし。」

片付けの苦手な私だが、多少きれいにしておかねば、これから半年間も過ごせないと思う。

しかしまぁ、これから半年間の生活をクソ蛇も住まうこのアジトで暮らすのかと思うと地獄だなと感じた。

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