15話 ページ26
クソ蛇と会話などしたくもないが、暁にいる以上は多少のコミュニケーションも大切だ。
「くだらない格好とは何のことだか。…あなたもいつまでここにいるつもりです?」
当然
服装についてではないことは理解している。おそらく変化のことだろう。
…そもそも私はあなたが世界一で大嫌いなのだから会話が続くとも思えないけど。
「リーダー達と仲の良いあなたなら分かるんじゃない?私はね、この組織に興味があるの。…一人一人を実験体にしたいくらいには…」
気持ち悪。
「優秀な遺伝子も欲しいしね。」
「俺にそんなこと言っていいんですか?」
そう言うとクソ蛇はあらあら、と肩をすくめた。
「あなたも私も同じようなものじゃない。
言わないであげてるんだから秘密にしてちょうだい。」
「俺はあんたと秘密を共有した覚えはないのですが。
まぁいいです。あんたの目的にはおそらくまだ時間がかかるでしょうから。」
一瞬クソ蛇は酷く驚いた表情を見せたが、次の瞬間いつも通りの飄々とした顔つきに戻っていた。
コイツが何をやろうとしているかは分からないが。
そもそも何かを成し遂げたいのであれば今すぐ問答無用で力を振るえば良い。
そうしないのは、そうできないからか。まだ準備ができていないからか…。
しばらく居心地の悪い沈黙が流れたかと思えば、クソ蛇はニヤリと笑った。
「私が暁を抜けるとき、あなた私と一緒に来ない?」
…は?なんだお前
「・・・ふざけてんの?
もう私はお前の実験体じゃねぇんだけども?いつまで勘違い気取ってんのか知らないけど冗談も休み休み言いなさい」
「フフフ…。あなた、素はそんな感じなのね。
ミナトとクシナの悪いところを取ったみたい」
いつまでたってもクスクスクスクスうざったいクソ蛇を無視して室内に入った。
勢いよくドアをを閉めても…いや閉めたことにより尚のこと大きくなった笑い声に耳を塞ぐ。
以前来たときに机の上に散らかしたままにしていた巻物を薙ぎ払う。
ドサリと落ちたいくつかの巻物の中から一際古い巻物を手に取った。
「…私だって分かってるよ…。」
呟いた一言は、空気と混ざってゆっくりと消えた。
71人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お姫(プロフ) - 美桜さん» →7班といられる今は夢主が他の選択も合ったのでは、と全てが過ぎた現状の中で今更考えさせられる、そんなお話です。 7班とのお別れが来た時が主人公の第三の旅路となります。今は主人公の束の間の平穏を見守っていてあげてください。 コメントありがとうございました。 (2018年2月5日 2時) (レス) id: efcc5b1388 (このIDを非表示/違反報告)
お姫(プロフ) - 美桜さん» 主人公格好いいですか?笑 嬉しいですね~♪ 主人公はナルトと対比するように作られています、強いけど弱いんです。また、主人公は時折自身の運命を呪う…某白眼少年のような態度を取りますが、そんな主人公の運命、実はそのほとんどが主人公自らの選択ばかりなのです→ (2018年2月5日 1時) (レス) id: efcc5b1388 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 主人公ちゃんがカッコよすぎですわ♪ キャラがすごく好きです! これからも応援してますよ(*´罒`*) (2018年2月4日 10時) (レス) id: 75558905fc (このIDを非表示/違反報告)
お姫(プロフ) - kuroさん» 楽しみにしていてくださる方がいただなんて思いませんでした…!とても嬉しいです!更新頑張ります!コメントありがとうございますq(^-^q) (2017年10月25日 17時) (レス) id: efcc5b1388 (このIDを非表示/違反報告)
お姫(プロフ) - キラキラ★さん» えっ、ホントですか!?やだ嬉しい(゜ロ゜)、なんか更新頑張ろうって思えます!コメントありがとうございます!! (2017年10月25日 17時) (レス) id: efcc5b1388 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:お姫 | 作成日時:2017年7月22日 19時