【NARUTO】あなたにもう一度会うために３

９８話 ページ3

入ってすぐ…
トラウマと言うやつだ。つい先日も来たばかりだというのに、足がすくむ。

震える足を叩き前を見据えた。

大きな門構えは既に後ろ。入ってしまえばなんてことはない。

それに私は仮面を着けている。問題ないはずだ。

まぁ、頭で分かっているから大丈夫か、と言われるとそうでもないのだが。


前回はカカシさんがいたからな。
…いたから…？
足が震えなかった…？

う、嘘でしょ…
それは流石に…。子供ですか。最悪。最悪。

余計なことを考えていたお陰だろうか。震えは止まっていた。
追加で戸惑いが来たが…
そこはまぁ、スルーできる。うん。


どこに彼がいるのか分からないが、とりあえず南賀ノ神社に行けば手掛かりがあるだろうと本堂の方へ歩を進めた


南賀ノ神社の長い階段下にある目の前の通りには、甘味処やお土産屋がまばらに立ち並ぶ、質素な商店街があった

うちはの特徴だろうか。
客引きをする人はあまり…いや、一人としていなかった。

一族皆家族ってか…

その仲間意識の中に軽く疑心暗鬼な心を落とすだけで内部崩壊しそうなほど仲良しこよししてますね。

チラチラと様子を伺ううちはどもに嘲笑を向けつつ、少し休憩しようと商店街を歩く。

それにしても一族以外には厳しすぎる視線ですね。
おそらく仮面が付いていなければ直接的な攻撃を向けてくるのでしょう。


うちはは嫌いです…


醤油…？
匂いの元を辿ろうと辺りを見回す。

数歩進んだところに『うちはせんべい』と一際大きく掲げられた看板と、次いで目に入る暖簾。

中で食べれるのか。
そう思い足を止めた。

「いらっしゃい。」

テウチさんとは違う、落ち着いた声で出迎えてくれたのは穏和なおばさんだ。
外に並び出された煎餅の前で椅子を出して座っているのは旦那さんだろう男性。

「買ってくか？食ってくか？」

言葉も必要最低限といったところだ。
うちはの男は皆こうなのだろうか。

「お土産にも買いたいのですが、中でも食べていって良いですか？」

「もちろん！手前と二階、どっちがいい？
今はお昼時だから空いているけど、これから混むだろうし二階にしとくかい？」

お昼時…

そうか。聞いて思い出した。私としたことが。お昼前におやつを食べようとしていたのか。

そりゃあお腹もすくし匂いの元を辿りたくもなるか。

まぁ…今日のお昼が煎餅でも悪くはない。

戦争でもないのに食事を抜くのはいただけない。一人前の忍である以上一食抜いたくらいでヘバったりはしないけど。

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