32話 ページ34
私の考えを察したのか、手に持った手裏剣を投げてから「あいつはまぁ…天才だからな、気にすんな」と言った。
…別に気にしてない。
シスイさんの放った手裏剣は、初め的と反対側に向かっていき大きく弧を描きながら一番奥の見えない的に命中していた。
シスイさんはさも当然の如く振り返り、的の確認をすることはなかった。
息を飲む…とはこの事だろう。
しばらく固まって動けなかった。
「シスイさんも天才ですね…」
うちはイタチが天才ということは周知のことであったが…
シスイさんがアカデミーを飛び級し、下忍のうちから警務部に所属して特別な任務を請け負っていたことが少しだけ謎だったのだが…
能ある鷹は爪を隠す
まぁ、そこまで考えていたかは分からないが
先程一瞬纏った空気や手裏剣術。写輪眼になるまでに要した時間等を考えると彼が天才であることは疑いようのない事実だった。
「んー…天才か。あんま言われたことないな」
呟いたと思ったら今度は自分が天才かどうかについて勝手に悩み始めてしまった。
変人…
でも、この人の側は少しだけ暖かい…
それから何だかんだ二時間近く手裏剣の修行を手伝ってもらい帰ろうとお礼を告げると「またやろうね」と言われた。
その言葉で少しだけ昨年のことを思い出す。
あぁ、今回も『また』と言うのですね。
次の約束なんて私にはできないのに。
Aはアカデミーに通うから任務はないが
雪花はダンゾウ様から休暇扱いを受けているが必要とあらば任務を行うこともあるだろう。
忍の任務は
ちっぽけであろうとも常に命懸けで行われる。
そういう覚悟がないといけないのだ。
なのに未来の約束なんて…
私にはシスイさんの考えが理解できなかった。
今日もまた、あの日と同様に返事を返せず立ち去った。
「アカデミー入学すらしてないのに瞬進…速ぇな…。」
誰もいない演習場にシスイの声だけがこだました。
「んー!!」
大きく伸びをして今日の夕飯について考える。
献立など邪道っ!適当に買い物して早く帰ろ。余計な奴に会わないうちに…
昨日今日と余計な人に会ってしまったからな。急がないと。
家にこもれば関係ないが
せっかく自由に動き回れるのだ。暇潰しも楽しい時間の一つ。
余計な人に会わなければ。
火影邸近くの少し大きめのスーパーに入る。
帰り道の八百屋でも良かったが、カップラーメンはここしか売ってない。
ストックが五つしかなかったので買い足す事も目的の一つだ。
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お姫(プロフ) - すみません、続きです笑 イタチが入学するときには5歳です。 裏設定として、夢主が4歳で命がどーの言ってるのは作者の趣味で、イタチが戦争を見て生と死について考えていたので繋がりを持たせたかったというのもあります。ではでは、これからもよろしくお願いします (2017年6月5日 9時) (レス) id: efcc5b1388 (このIDを非表示/違反報告)
お姫(プロフ) - コメントありがとうございます!返信のやり方分からないのでこのままコメント残します。 分かりにくくてすみません!私の力量不足です。夢主は今4歳です。九尾の事件があってすぐですね。つまりナルトは生まれたてです。 ちなみに主は誕生日3月設定なので 字数が笑 (2017年6月5日 9時) (レス) id: efcc5b1388 (このIDを非表示/違反報告)
クー(プロフ) - とても面白いです(感動?)これからも更新を楽しみにしてます、えっと主って今何歳なんですか?(ナルトも)少し気になったので、すみません! (2017年6月4日 10時) (レス) id: 7bc1a34da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お姫 | 作成日時:2017年5月22日 1時