【NARUTO】あなたにもう一度会うために

２４話 ページ26

小さな入口の前には暗部の仮面を着けた人が二人、入口を挟むようにして立っていた。


私が目の前まで行くと「ダンゾウ様から聞いております」と丁寧な口調で中へ通された。

案内も頼みたいので声を掛けようと口を開きかけるが案内までしてくれるようだった。

君、優しいね。

暗部にも色々な人がいるのだろう
ナルトの監視の人は口調荒かったし…

それにしても地下がこんなに広かったなんて…

最下層まで下り､襖式になっている扉に手をかけると、案内の人が一礼して消えた｡

早い…
無意識下でお父さんを思い出す｡

扉を開けたすぐ側にダンゾウ様の背中が見えた｡

口を開く前に「遅かったな」と言われ謝罪を告げる｡

「まぁいい

お前には明日から暗部養成部門で訓練を行ってもらう｡

力を付けたのち
“根”に入り、ワシ直属の部下として
任務を遂行せよ。」

方膝立ちで頭を下げる。

「はい…」

「それから昨日も説明したが養成部門と言えど暗部。

今後、アカデミー入学まで外界との接触は禁止だ。」

アカデミーに通うのはいいのだろうか…

私の疑問に答えるようにダンゾウ様はアカデミーはしっかり卒業してもらうと言った。

「強くなって木の葉に尽くせ。

影から里を支える、それが忍だ。」

「はっ！」

「フッ…やはりいい顔をしている…」

ダンゾウ様の言葉を気にとめつつ、私は暗部になるために地下に潜ることを決意した。




翌日の早朝、火影様から仮面と暗部名を頂いた。

白を基調とした丸みを帯びた猫の仮面。
睫毛があり女らしさも出ていて可愛いものだ。

暗部名は雪花。
火影様が由来を熱弁していたが正直よく覚えていない。

まぁ悪くはない名だ。火影様から頂いた名前に恥じぬよう精進していきたいと思った。




しかし、暗部になるのは…いや、根が特殊なだけかもしれないが、名前に恥じぬよう努力したところで早々に暗部になれるほど簡単なものではなかった。


精神的なものとしては『何をされても表情を動かすな』という訓練が一番苦しかった。
勿論肉体的に耐え難い苦痛を与えるものや幻術での苦痛など。その訓練が苦しい要因の一つではあるが、眉をしかめるだけでも失敗とされる。

他にも
抜け忍狩りに同伴させられ、幼い頃お世話になった暗部の人であろうともダンゾウ様に命令されれば、捕らえられたその人を殺害することもした。

ダンゾウ様の意向は測りかねるが
私が如何なる状況でも躊躇せず人を殺せるようにしたかったのかもしれない｡

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