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22話 ページ24

騒ぎを聞き付けたシスイさんが警務の人を数人連れて私を庇うように取り囲んだ。


「シスイ…さん…」


「大丈夫!心配すんな!」

シスイさんの笑顔に緊張が緩むのを感じた。


おじさんは現状注意とされ、罰せられることはなかった。
よかった…

「シスイ!この騒ぎは…」

そちらに視線を向けることはできなかった。
どんな顔をすればいいのか分からなかった。

「A…」

体育座りになり顔を埋める。

「どうした?ケガ…したのか?」

心配してくれるイタチくんに殴られたところを見られてしまった。
イタチくんの纏う空気が変わったのが分かった。

「誰にやられた?」

その声は酷く低い声だった。


私は何も言えなかったが、全てシスイさんが説明しているようだった。

イタチくんは湖広がる演習場に私とシスイさんを引っ張った。

誰もいないそこは、静かでとても穏やかな空間だった。

シスイさんもイタチくんも
私に何て声を掛けたらいいのか分からないのだろう。
視線を感じる。

「湖…綺麗だね」

私の呟きに同意するように「そうだろそうだろ」と笑うシスイさんが可愛い。

シスイさんが作ったんじゃないのに…

クスッ。
小さく笑がこぼれてしまった。

その笑に反応したようにシスイさんもイタチくんも笑った。


私はまた、胸が苦しくなった。


しばらくすると、シスイさんが団子買ってきてやると言い残し立ち去った。

それを合図にしたかのようにイタチくんは私の腕をつかんだ。言いたいことがあると言って。


「あの日…」


呟かれたその言葉。
たったそれだけの言葉でいつを意味しているのか分かってしまった。

「九尾が引きずり出されたあの日、先に戻ってごめん。

一緒にいれなくてごめん…」

九尾について色々と追求してくるのかと思っていたから少しだけ驚いた。
一拍おいて、イタチくんのせいじゃないでしょ。と呟いた。

きっとイタチくんはお父さんとお母さんを助けられなくても、一緒にいれば私の支えになる…とか、考えてるんだと思う。
でもあの時、イタチくんが悩んで戻ったのは、サスケくんを置いてきてしまった不安もあっただろうから、イタチくんのせいじゃないのは分かりきっていることなんだけど。


「イタチくんはなんにも分かってないね」


湖を見つめて呟いた。

口を開きかけ、何度かパクパクしていたけど、
止めたようで口を閉ざした。

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お姫(プロフ) - すみません、続きです笑 イタチが入学するときには5歳です。 裏設定として、夢主が4歳で命がどーの言ってるのは作者の趣味で、イタチが戦争を見て生と死について考えていたので繋がりを持たせたかったというのもあります。ではでは、これからもよろしくお願いします (2017年6月5日 9時) (レス) id: efcc5b1388 (このIDを非表示/違反報告)
お姫(プロフ) - コメントありがとうございます!返信のやり方分からないのでこのままコメント残します。 分かりにくくてすみません!私の力量不足です。夢主は今4歳です。九尾の事件があってすぐですね。つまりナルトは生まれたてです。 ちなみに主は誕生日3月設定なので 字数が笑 (2017年6月5日 9時) (レス) id: efcc5b1388 (このIDを非表示/違反報告)
クー(プロフ) - とても面白いです(感動?)これからも更新を楽しみにしてます、えっと主って今何歳なんですか?(ナルトも)少し気になったので、すみません! (2017年6月4日 10時) (レス) id: 7bc1a34da8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お姫 | 作成日時:2017年5月22日 1時

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