今日もお前は見ている【呪術廻戦】 (ページ10)

今日:17 hit、昨日:1 hit、合計:40,371 hit

記憶ページ10

着いたのは矢張り男子寮。
中を覗くと既存の家具に加えダンボール箱が一つ、紛れもなく私のものであった。
どうせ大した物は入っていない。荷解きは明日にしようとベッドに寝転ぶ

五条が私を伏黒の隣の部屋に置いたのは何か理由が有るのだろう。
まあ初めて会った時から何かと疑われている、信用がなくて当然か

私なら危険人物は最も頼れる者の近くか己の傍に置く。恐らくこれに近い事を予め伏黒に言ってあるな。偶然会ったとはいえ、多少話の展開が不自然だった。

〔俺は強くならないといけない＿〕

あの時、耳に入ったのは確かに伏黒の声で。
でもそれとは別に酷く懐かしいようなこそばゆい感覚が身体中を駆け回ったのを覚えている

埒が明かないこの感情に瞳を閉じれば襲う眠気。
大人しくそれに身を任せそっと蓋をするように。何も視ないように。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

＿私は今走っている。

何の為に？

追っ手から逃げるために

何処を？

都市部から少し離れた路地を

＿＿誰と？

大事な＿＿＿と

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

『ｯ…はぁ』

間違いない。これこそ夢だ。目が覚め脳が正常に働き出した瞬間、そう判断する
ただ必死に夜道を走る少女。私の幼い頃に酷似していた。
そしてその前を呑気に歩く者。まるで少女を追う奴等を認識していないかのように＿＿

『誰…？』

その問に答える者は此処には居ない