【まふまふ×luz】幼馴染たちは立派に成長してました。【歌い手】ver.２

43≫想いの欠片 ページ8

途中で鹿乃と別れ次に天月くんとも別れ、るすと２人きりになった。

私たちはそう多くは話さない。
話しても、“段差がある”だとか“そっちは危ないから寄って”だとかだけだ。

でも、この程度が今の私達には丁度いいかもしれない。
実際、この静けさは嫌いじゃない。



この静けさを利用して、私の頭の中では天月くんの言葉がずっとぐるぐる回っている。



２人は私を褒めたことが今までに１度もないだろう。
私が歌うと、褒めるどころか口には出さないものの顔を顰めていた。
そして、歌い終わった尻から自分たちから見た評価を辛口に話し始める。それを聞くことは私の勉強にもなったし、聞いていたんだけど、辛口すぎて萎えてくるのだ。普段は温厚な人が音楽が関わるとここまできつくなれるのかと疑問にも思った。


でも、それ以上に音楽への真面目さ、何より想いが伝わってきて不思議とそれを嫌だとは思わない。



「ねぇ、るす」


「何？」


「るすの夢は何？」



私の中で、“音楽に対する想い”と繋がって出てきたのは将来の話。
ここの生徒の８割から９割はやはり音大やデビュー、作詞作曲家など音楽関連の針路をとる。その他は、音楽とは別の道に進む。別の夢を叶えるために退学をしてしまうものを年に数人いる。



「俺は将来、勿論音楽関係の仕事に就きたい
でも、そんなことよりも欲しいものがある、まぁ教えてあげないけど」

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