8.花模様 ページ9
「傑、勝負しよーぜ。次の任務早く終わらせてきた方がラーメン奢りな。」
「お互い3級
「だから速さ勝負なんだろ」
あれから2週間が経つ。
傑くんと悟くんは凄まじい成長と共に仲睦まじくなっていった。あそこまで息の合うコンビになるとは思わんだ。
「傑くんさ、悟くんの性格に影響受けてるよね。ゲスいことまで考えるようになったというか…」
「アイツ元々ゲスだぞ。猫かぶってただけ。」
「さすが硝子」
私は未だに任務をもらったことがない。
上からストップが掛かっているのか、先生側近の呪霊(ぬいぐるみ)祓いと鍛錬場での特訓以外は容認されていなかった。その意味は私にも分からない。
「なあ、A。どうせ暇だろ。今夜お前の部屋でゲームするから片付けとけ。」
「こちとら仮にも乙女だぞ、悟くん」
「? お前エ〇い下着もねえだろ」
「おいクズ。夏油消えたぞ」
私たちは、順調に学校生活を謳歌していた。
【2日前】
ドスッ!!
「やった!先生、準2級倒しました!」
「……A。自分の術式はどこまで把握してる?」
夜蛾先生は、焼き焦げたぬいぐるみの綿を拾いながら私に尋ねた。
「えっと…私の術式ーーー倶利伽羅之龍は、4つ術があります。
それぞれ炎を司るものですが日に弱いです。
ただし暗闇では、低水準だった呪力が最高限に達します。もっと強くなって結界術を学べば…領域を構築することも可能かと」
私は夜蛾先生に呼ばれ、自分の術式についてを話した。暫く黙っていた先生が口を開く。
「悟はああ言っていたが…やはりお前の術式は縛りが対等じゃない。
省エネ呪力で準2級呪霊と釣り合うくらいの強さを誇るなら、お前はすぐに1級へとあがるだろう。」
「!本当ですか」
「ただし、今はまだその時じゃない。ひとまず3級術師として任命する。」
「どうして?」
「お前の術式は破壊に重点を置いているからだ。また騒動が起きても困る。」
…なんか、上手くはぐらかされた…?
「ちょっ、このマ〇カー
「文句言うなよ、奢られた分際でさ!」
「硝子、煙草吸いすぎ。外寒いし、焼きそば食べようよ」
「もう少し」
「ってか自室戻んのダルくね?泊まらせてよ」
「顔使っても誰も見てないよ」
桜は散り、夏が来ようとしていた。
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tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか?ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とみしろ x他1人 | 作成日時:2022年6月3日 10時