#051.Ω×β×α 7 ページ22
「あの三人組ですよね…?…ぶん殴りたい。」
「国見ちゃん、怖いよ。」
同じ痣をがある、国見は苛ついている。
及川は笑って、怒る国見を見ていたが…
内心、Aが心配で気が気でなかった。
及川は黙って、耳をすませていると
同じようにしている人が一人。
「…!」
黒尾だ。
そしてまた、騒がしい声が聞こえる。
『Aさんさぁ…胸デカイねー!』
『ほんっと、おっきい!うちらの倍あるじゃん!』
デリカシーの無い、言葉。
「………。」
黒尾は、及川の異様な雰囲気を感じ取った。
___________嫉妬?憤怒?
言葉では表せない、複雑な感情。
元々、及川の性格は良いとは言えない。
だから、複雑な内面は他人が容易に理解出来るはずがなく…
黒尾は黙ったままの及川”怒っている”と予想した。
その後のことは、省略。
ただ、簡単に言えば…
『触っちゃおーー!!』
『やっ…‼︎』
小さく喘ぐような声が響く。
その時、誰も反応はしなかった。が、
その後…風呂から消えるように及川は出て行ったのを、黒尾は気付いていた。
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「天星のマネージャーだから、あまり強く言えなくて…ね。」
口ではそう言ってるが、Aの本心はどうだろう。
面倒くさいという以前に、傷ついているのではないか。
黙ったままの及川の顔を、Aは覗いてみる。
すると、強く引き寄せられ、ベッドに倒される。
「…隣って、あの三人組?」
「………うん。」
質問の意図が分からないというA。
それを御構い無しに、及川はAの首筋に顔を埋めた。
そして、耳元で囁く。
「…隣、聞こえるかもしれない。けどさ
______今日は寝かせないよ。」
複雑な感情…………。
番となり、何となくお互いの考えが分かるようになった。
その為、及川は感じ取ってしまった…。
Aが、自分のことをあまり愛していないことを…。
それは、言い過ぎかもしれない。
被害妄想が混じっているかもしれない。
…けれど、本能が示す。
”番になったからって、いい気になるな”
まだ、及川はAの心を全て
…………奪い切れていない。
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作者名:色葉怜 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2014年12月31日 22時