#052.α×α 1 ページ23
合宿 二日目。
二日目は、教授が言っていた通り…本格的な練習に入る。
天星と神無の優れたプレイヤー達が、それぞれアップをし始める。
練習試合の延々と行う。
鬼のように長い時間。
プレイヤー達は、奪われる体力のせいで、思考が停止し始める。
そんな中………
「今の良かったねー、クロちゃん。」
「誰が、クロちゃんだよ。」
普段通りの及川。
一方、姿の見えないマネージャーが三人。
「…何か、やったのか?」
黒尾が問いかけてみた。
「ん?まぁねー。」
…やっぱり、普段通りの及川だ。
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神無のセッターは、二人。
________及川徹と孤爪研磨。
及川徹は、調子良く練習をこなしているが、彼は将来バレーの選手になる、という訳ではない。
それは、孤爪研磨も同じである。
なぜなら…
________影山飛雄がいるからだ。
セッターとしての才能は、彼の右に出るものはいない。
そして何より日向翔陽とのコンビネーションは、高校の頃から確立されていて…
今や、そう簡単に崩せるものではなくなった。
「Aさん!」
マネージャー業をしていたAが、影山から突然の呼び出し。
ただ事ではない…そんな予感がした。
「…日向が倒れて…!」
「……わかった。すぐ、運ぶ。」
真夏日だから、熱中症の恐れがあり。
が…しかし、これは少し違う。
様子からして、影山は知らない。
けれど、月島は知っているみたいだった。
それを見切ったAは、月島に日向を運ぶのを手伝うように言った。
……影山が、何か言いたそうにしていた。
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どうして、教授はこんなときにいないのか。
ここは、日向の部屋。影山の部屋でもある。
「何かできることは…?」
「ごめん、今は外に出てて。」
月島がマネージャーの子を部屋から出した。
今の日向の容態はあまり”部外者に”知られていいものではないからだ。
「…ありがとうございます…」
気が付いたのか、虚ろにお礼を言う日向。
「…聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「はい…。」
「君のこと、他に誰が知ってる?」
随分と遠回しに質問するA。
「…月島だけです。」
弱々しく、そう日向は答えた。
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作者名:色葉怜 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2014年12月31日 22時