罪人談義 ページ2
ある日の昼下がり、引っ込みかけている意識を引っ張り出し眠らないように努力する。
一番睡魔が襲ってくる時間だが外役の見張り中に眠ったら門倉に何て言われるか。
目を覚ますためにも仕事に集中するためにもとりあえず近くにいた白石に声をかけた。
『そういや白石、前に言った上エ地圭二殺害計画どうなった？』
「まだ根に持ってたのかよ…」
軽く声をかけたつもりだが白石は呆れたように肩を落とす。
根に持つ、と白石は言っているがそういうことじゃない。
大好きな祖父を引き合いに出され嘘をつかれた人間の気持ちを考えたことがあるだろうか。
今や冷めぬ怒りを持ちつつ白石に絡んでいると、横から房太郎が白石の肩に手を置いた。
「白石、上エ地殺すなら手伝うぜ」
『助かる』
「なんで俺中心に話が進んでんの？」
お互い上エ地を殺し隊としてとても頼もしい仲間だ。
うんうんと頷き房太郎の発言を肯定する。
すると殺気マシマシの両者に挟まれて居心地が悪くなったのか、白石が話を逸らすために口を開いた。
「そういえば『人殺しは必ず幽霊を恐れる』とか言うけど本当なのか？」
急に白石から出てきた質問に房太郎と顔を会わせる。
そんなことを言われても…個人差があるだろうしなんとも。
私はしゃべり兼ねていると先に房太郎が反応した。
「うーん…俺は、特にだな」
『そうだな…おい、関谷はどうなんだ？』
「え？」
参考になる意見は多い方がいいと思い適当にそこら辺にいた関谷に声をかけた。
確かあいつも毒を使って何人か殺してたはず。私も毒で死ぬかの瀬戸際までいったし。
関谷は唐突に振られた話に面を食らうような顔をしてから告げる。
「毒で死んでいった奴らは運命に選ばれなかった、それだけのことだろ？
霊となってまで俺を恨むようなら自分の不運を恨むべきだと思うがな」
『ふーん』
そういう考え方もあんのか。
いけない殺人理念に感心している気もするが視野は広い方がいいからな。
「けど今んところデマっぽいな」
『だな、確かに私も考えたこと無かったし…』
纏めの言葉を述べる白石に対して私も乗っかり感想を呟く。
するとさっきの盛り上がりが嘘のように場がシンと静まる。
そこでようやく気づいた、自分がさも人を殺したことがあるような発言をしていたことに。
『…………看守ジョーク』
「お前のは冗談にきこえねえんだよ！」
苦し紛れに漏らした一言に、すかさず白石がツッコミを入れた。
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蛸山葵(プロフ) - モノクロ(蒼桜)さん» コメントありがとうございます。彼女の過去に需要があるのかどうか不安だったのですが、この作品を通じて何かを感じていただいたようでとても嬉しいです。親バカのようですが私も河上ちゃんのことが好きなので彼女の幸せを願っていただき大変光栄です。 (2月19日 21時) (
レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ(蒼桜)(プロフ) - ぐおぉぉおぉお、、、供給過多、、、。とてもよかったです、。「蛙の子は蛙」だとしても、、ほんの少しでも幸せに生きてくれぇぇぇぇ、、、。 (2月19日 17時) (レス) @page8 id: c1e95133f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛸山葵 | 作成日時：2024年1月16日 21時
