46.研修中。 ページ6
「まず、1軒目の不動産屋さんに行きましょうか」
「うん、そうしよ」
智さんと、舗装された道路を並んで歩く。
「今日はあったかいねぇ」
「そうですね、最近寒かったから…」
智さんは鼻歌を歌いながら、綺麗な黄色に染まった葉っぱをスニーカーで踏んでいく。
…鼻歌、プロ並みに上手いんだけど。
「智さんも、いつもと雰囲気違いますね」
いつものオーバーオールも、智さんの童顔に相まって、少し少年っぽい雰囲気を醸し出してお似合いなんだけど、
少しピタッとした白いニットは、智さんの引き締まっていて、細いけれどオトコらしい身体を引き立たせている。
「ほんとぉ？一応…不動産屋さん行くしぃ」
智さんは、ちょっと恥ずかしそうに頭をかく。
「Aちゃんとお出かけだからねぇ」
それなりにしなきゃ、って、ゆるっと目尻を下げて微笑んだ。
・
・
駅から少し歩いて到着した不動産屋さんは空いていて、智さんと2人並んで、通された椅子に座る。
「なんか緊張するねぇ」
「緊張します…」
智さんの家探しについてきただけなのに、
なんか二人の家を探してるような気になって、
勝手にドキドキしてしまう。
やばいな、私、って思ってたのに、
「本日はお二人の新居をお探しですか？」
智さんよりも少し小柄な男性のスタッフさんが、笑顔でそんなことを言うから、
「…っゲホッ…！」
思わず、出してくれた紅茶を吹き出しそうになった。
「うわっ、だいじょぶ？」
「はい、大丈夫です…」
智さんが私の背中をさすって、心配してくれる。
その手すら暖かくて、優しいな、って思うなんて、
私はだいぶ盲目的なのかもしれない。
「えっとぉ、この子は付き添いなんです」
「では、お一人暮らしということでしょうか？」
「はい、そうです」
「なるほど」って頷いた彼は、
「申し遅れました、私が担当させていただきます、知念と申します」
ニコッと笑って、名刺を差し出した。
胸についたバッジには「研修中」って書いてあって、
私と同じ、新人さんだ、って勝手にシンパシーを感じた。
「こちらが、オススメの物件になります」
「うわぁ、すごーい」
智さんと知念さんが、スラスラと話を進めていく。
うんうん、って頷きながら資料を読む智さんの横顔は真剣で、
その姿もかっこいいな、って思わず見つめていたら
「ねえAちゃん、これとかどう？」
智さんが、クルンっと私の方を振り返るから、
「えっ、あっ…」
思わずドキマギしてしまった。
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璃夢(プロフ) - みっきさん» みっきさん、コメントありがとうございます。智さんのほんわかと優しさ、感じていただけて嬉しいです。私も書きながら癒しのパワーをもらってます笑 これからもどうぞよろしくお願いいたします♪ (2020年6月10日 0時) (
レス) id: 7d2e6a298f (このIDを非表示/違反報告)
みっき(プロフ) - 初めまして(^^)いつも楽しみに読ませていただいてます♪智くんのほんわかと優しい癒しオーラを感じて毎回読み終わったらほっこりしてます。次回更新も楽しみに待ってますね♪ (2020年6月4日 0時) (レス) id: 0364fca5be (このIDを非表示/違反報告)
璃夢(プロフ) - かえるさん» かえるさん、コメントありがとうございます。お話楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪青い鳥の開設、今準備中なので、用意が出来たらすぐにお知らせしますね^ ^ これからもよろしくお願いします！ (2020年5月31日 0時) (レス) id: f209da7995 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！！差し支えなければ、智さんの新しいお家の見取り図が見てみたいです(^^) (2020年5月23日 1時) (レス) id: a9f7041f7f (このIDを非表示/違反報告)
璃夢(プロフ) - ゆうにゃんさん» ゆうにゃんさん、コメントありがとうございます♪ ドキドキしていただけて、とっても嬉しいです。これからもどうぞ宜しくお願いします！ (2020年5月20日 9時) (レス) id: f209da7995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃夢
| 作成日時：2020年5月17日 22時
