第三十三話 ページ37
「(_________……随分と血生臭い…)」
森に入って数分。辺りには所々に血のようなものが飛び散っている。
暗闇に目を慣れさせる為、片目を閉じていたのをゆっくりと開けた。
すると、
「っ！」
後ろから殺気を感じ、咄嗟に避ける。
振り返った時に聞こえたのは泣き声だった。
隊「にげっ…逃げろ…！！」
逃げろ、という彼の片手には刀。そしてもう片方には誰かの生首。
鬼殺隊の一人が、仲間を殺していた。
隊「柱を…柱を呼んでくれ…！！でないと、」
泣き叫んでいた。俺が殺してしまうと、彼は言った。
隊「もう誰も殺したくない…！俺は、仲間を皆殺しにした！！」
「(……あれは、)」
彼はキリキリと腕をあげる。その動きが妙に不自然だ。
目を凝らす。すると彼の腕や足に糸のような物が見えた。
「…大丈夫です。私が助けます。」
隊「お願いだ…逃げてくれ…！！」
襲ってくる彼の事を避け、後ろについている糸を切る。しかしそれはあまり無意味なようで直ぐにまた糸が繋がっていた。
「(何故糸が…)」
彼を見ると、小さな蜘蛛が服に糸を繋げていた。
それを見た瞬間、鳥肌がぞわりとたつ。虫は嫌いだ。急いで相手から距離を取り、木の上に着地した。
「(あれは恐らく鬼が操っている筈…)」
あの蜘蛛を何とかせねば彼は死ぬまで戦い続けるだろう。
刀を収めず、煙管を取り出す。
「……」
隊「っ、逃げろ！！」
煙管から吸い込み、大量の煙を吐き出す。
隊「…！？」
紫色の煙は地面や木、そして隊員の彼を包み込んだ。
隊「ゲホッ、ゲホッゲホッ…！！」
再び糸を切る。そして彼の事を抱え、走り出した。
隊「っ…！？体が…？」
「先程のは藤の花を使ったものです。やはり、効くんですね。」
少し走った所で彼を降ろす。
彼は掠れた声で
「あ、ありがとう…助かった…」と安心した様に言った。
「先程の蜘蛛は見当たりませんし、暫くは大丈夫かと。
助けを呼んで来るので貴方は此処に、」
ゴキンッ！！
_________鈍い音が、辺りに広まった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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マグカップ - 鱗滝さん、たぶん一人称、儂，だと思います。間違ってたらすみません。 (2021年12月30日 20時) (
レス) @page17 id: 9e13789d7f (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - 蒼さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえるととても嬉しいです…！更新遅いんですけど頑張りますね！ (2020年3月8日 19時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 夢主ちゃんの性格が好みで、とっても面白いです！更新楽しみにしています！ (2020年3月1日 8時) (レス) id: 4aef03d028 (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - 9Sに殺されたいロリコンさん» コメントありがとうございます！愈史郎君可愛いですよね(^^*)これからも応援よろしくお願いします！ (2019年12月9日 22時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - グロリアスさん» キャぁーっっ！大正コソコソ噂話ﾀﾞﾜｯｯ!! (2019年12月7日 23時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グロリアス
| 作成日時：2019年8月6日 15時
