Sweet Christmas Day【クリスマス男主集団合作】 (ページ19)

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『はぁっ、はぁ……』

できる限り全力で走る。
教えてもらった病院に向かって。

侑斗は、遊園地に向かう途中で信号無視したトラックに撥ねられたらしい。

そう告げられた時、頭が動かなくて、とりあえず病院に行く事しか考えられなかった。
早く、早く行かなきゃ。
それだけしか頭に浮かばない。

事故が起こった現場から一番近い病院に運ばれたそうで、そこに辿り着くのにそう時間はかからなかった。
受付して、病室に向かう。

『っはぁ、はぁ、侑斗っ…！』

ガラ、と扉を開けた先には、侑斗のご家族と、
静かな表情でベッドに横たわる侑斗がいた。

「こんにちは、Aくん」

侑斗に駆け寄ろうとすると、侑斗のお父さんに声を掛けられた。

『あ、こ、こんにちは…あの、侑斗は』

「今は意識がないわ。当分＿目を覚まさないだろうって」

厳かな口調で、お母さんに話しかけられる。

『……そう、ですか』

ベッドに近付いて、侑斗を見る。

＿A

もう彼は、俺の名前を呼んでくれないのだろうか。
じわ、と目に涙が溢れる。

「……お水、持ってくるわね」

「俺も手洗いに」

気を使ってくれたのか、二人は病室から出ていった。

『……ゆう、と』

えぐ、と嗚咽が漏れ出る。
流れる涙と比例するように、感情が込み上げてくる。

『…っう、ぁああ、ゆ、とぉ…！侑斗っ、んぅ、ひっ、ぐ……』

なんで。どうして侑斗が。
何もしてないじゃないか。
ただ、隣で歩いてただけなのに。
ただ、ずっと隣にいて欲しかっただけなのに。

『お願いだから置いてかないでよ、侑斗＿＿！』

ぽたぽたと落ちる涙に濡れても、侑斗は静かに、目を瞑っていた。

'

君の隣に居たかった。

君の笑顔を眺めていたかった。

君と笑い合っていたかった。

隣に居させてくれてありがとう。

せめて、最後は笑顔が見たかった＿＿＿